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物申す目次
物 申 す ビジネス編
ビジネスフォルダ H13 10月 インターホンの修理 LANの設定 インターホンの修理続き 見込み商品
11月 偉大な人物 記念日はカッコだけ クレーム処理は冷静に  ドアクローザーに怒った
12月 ありがたいお客さん ご住職とCDとクリスマス 電気屋も怒る *****
H14 1〜3月 パソコンとパニック リフォームと電気毛布 寄らば大樹の陰 同業者は水と油
4月〜5月 電気屋の使命   駆け引き   ペットは苦手  *****
6月 すぐ止まるにだまされた  11月  創業記念品  *** *****
H15 4月 ”かくこと”いっぱい ご近所はむずかしい  輝くおばあちゃん  帰ってきたトースター 
H16 1月〜4月 床下配管工事  締めくくりは大森さん  トラッキングは怖い   忍耐の日 
H16 7月 カサブランカ  宅急便  *** ***
H17 1月 得されてるお客さん  ケイタイで値引き  走れメロス  後ろから言われると・・・ 
H18 3月 同業者は仲良く 
H19 5月 帰ってきたお客さん  電気屋受難 
H20 4月 長生きする電気屋  修理屋さん  この怪我は・・・ 
H22 2月 老夫婦 猛暑 
2001/9/28 (金)  
インターホンの修理
今日のお客さんは、今まで修理や工事では何度かお伺いしていたが、いまだに何も買ってもらったことはないし、
展示会には、粗品だけよく取りに来店されてたようなお客さん。
去年の今ごろテレビの写りが悪いので見に来てと言うことで見に行ったところ、ナショナルの10年ぐらい前の29インチのテレビで、すでにブラウン管に寿命きたしてた。大体この時分のテレビはどこのメーカーともブラウン管のへたりが早い、昔はもっと持ってたが、いずれにしても、もう真っ暗に近いのでお買い替えをお勧めするが、もう少しこのまま見るとのこと。

それ以来の、コールであるが、今回は、インターホンが鳴らないとのこと。すでにテレビのほうはほかの店で買い換えられていることは明白。それでも、気持ちよく?修理にうかがう。見たところ、親機のピンポンの故障みたいでどうしよもない。たいていは、子機のほうか配線がやられるのだが、親機の故障は珍しい。

こうなったら修理より買い換えたほうがいい。普通なら、かなり遠まわしに、かつ慎重に買い替えをお勧めするのであるが、前回のテレビのこともある、ここはひとつズバッと「もう直りません、取り替えないとだめです」めったと言わない言葉だが、かなり冷静な態度ではっきりと宣告した。自分の心の中では、もうこのお客さんに信用失っても良い、気を悪くされても、それはそれでこちらもすっきりする、そういった決意も含んでいたのである。
お客さんのほうは、「もう寿命なのかね〜自分で買ってきてつけれないのかね〜・・・」 こちらは、キレル寸前をグッとがまんして「ちょっとむずかしいですね・・・」
とりあえず急ぐのでと言うことで、明日取り付けに再訪問することとなる。
2001/10/5 (金)
LANの設定
今日は、お客様宅で、お手持ちのパソコン2台を接続してお互いのパソコンのファイルの共有、プリンターの共有などの設定、インターネット、メールの設定などを行なった。まったく詰まることもなくすんなりいけたが、使用方法の説明も入れて、所要時間は約3時間ぐらいかかった。やはり、ネットワークやインターネット、メールの設定は時間かかる。
一台は、 去年の1月に買っていただいたNECのノートPC LW40H/14DW で、もう一台は、そのちょっと前にすでに購入されていたやはりNECのデスクトップパソコンだ。WANへは、ISDNで、NECの無線のTA、IWX70/RS7のセット今年春に買っていただいたものだ。

お客さんのパソコンを触る前にまず一番大事なことは、データの保存先のフォルダの確認、バックアップは必ずHDD以外にFDD等に保存されてるか、インターネットやメールはどのぐらい利用されてるか、どんなアプリケーションをよく利用されるのか、トラブルなどは無いかよく聞いておくこと。
データのバックアップは、フロッピーに入るぐらいの大きさならよいけれど、入りきらない場合CD-RとかMOとか必要になってくるが、写真とか、音楽などのファイル意外だったらたいていの場合は、圧縮や分割のソフトを使えば、ほとんどFDDで間に合う。
ただ、最近のPCは、FDD内臓がなくなりつつあるのは残念で仕方ない。
次に、見落としてはならないのが、メールのデータの保存、インターネットお気に入り、ブックマークなどの保存だ。これも別に保存しておかないといけない。

さて、一番大事なデータの問題を解決したら、次の作業として2台のPCを接続してどうされたいのか聞くことです。せっかく設定しても、「な〜んだこんなことか」と期待はずれでも困るのです。ちゃんと、どんなことが出来て、どんな風に便利なのでと言うことの説明、ひょっとして必要以上に期待されていないかなど、さぐる事も大事です。
今回のお客さんの場合、ほとんどがエクセルの表計算だで、見積もり、請求書等で利用されているだけなので、そんなに複雑なことはいらない。お互いのPCでの読み込み、コピー、印刷が出来ればよい。ただ、、これまでに一度ウィルスにやられエクセルファイルが開かなくなって困った経験をお持ちなので、お互いのPCにトラブルが発生しても、もう一台で仕事できると言うメリットは、今回何にも変えがたい最大の目的だそうだ。

いよいよ、LANの設定だが、ノートPCは当然のことPCIスロットのイーサネットカード、デスクトップは、通常は筐体あけてLANボードを組み込むのであるが、今回スリムタイプなので、同じくPCIのLANカードとなった。接続するケーブルは、クロスケーブルを使う。ハブとかルーター、ケーブルモデム、ADSLなどはストレートケーブルだが、直接PC同士の場合はクロスなので間違わないようにしなければならない。
LANカードのインストールは、すごく簡単だ。ウィンドウズが立ち上がった状態でカードを差し込んでやれば、ウィザードが立ちあがる。初心者が戸惑うところとしては、カードのドライバーのありかを指定するところぐらいだ。必ず、ディスクの場所フォルダの場所まで指定してやらなければならない。
もうひとつつまづくのは、一回インストールに失敗したあとに再度挑戦となったとき、手順が始めと変わってくるので慌ててしまうことだ。「デバイスマネージャーをあけて、不明なデバイスを削除」とあったりするが、なれないことには、この「削除」ということにたいして異常な恐怖感があるのです。この「削除」が怖くなくなったら一人前と言えるのではないでしょうか。あわてずに、もう一度マニュアルを読みながら作業すれば大丈夫です。

LANカードインストール成功のあとは、ネットワークの設定です。
コントロールパネル>ネットワーク>TCP/IP→(インストールしたカードの名前)>プロパティ>「識別情報」のワークグループの名前のところ、ここを2台とも同じ名前にすることが最低条件です。あとは、「ファイルとプリンターの共有」で「共有する」にして再起動すればOKです。このあとに、わすれてならないのが共有したいフォルダに対して「共有」に設定してやらないことには見えてこない。その方法は、データの入ってるフォルダなどを右クルックしてメニューから「共有」を選択する。ハードディスクまるごと共有にしてもOKです。

ネットワークを触ると次から起動時にパスワード入力の画面が出てきます。かなり、これはうっとうしいので特別な理由のない限りパスするようにしておかないとクレームの元です。ネットワーク開いた画面の下のほうにある、「優先的にログオンするネットワーク」で「ファミリーログオン」にすればパスワードは回避できます。(一部例外もあります)

以上、これまで幾度となく修羅場を潜り抜けてきたので得意の分野になってきましたがそれでも、3時間ばかりかかりました。エアコンの工事代ほどの収入にはなりましたが大サービスです。
どうも、すんなり出来た話はおもしろくないな〜、やはり、どうしようもないトラブルとかハプニングがないとみんなの期待に添えないんだよね。でも、慣れてない方には参考になるかも・・・、トラぶったらメールください。
2001/10/9 (火)
インターホン修理続き
前回、インターホンの修理で尻切れになった続きです。
そこのお宅では息子さんがインターネットやっておられるのでひょっとして、当店のページを開かれるかも知れない。
いや、これからどんどん宣伝するし、ご近所、町内会、羽曳野市内・・・果ては全国区となると一日に数え切れないアクセスがあって、その中でそのお宅の目にもとまる可能性も考えられないことではない。となると、名誉毀損と言った問題にも発展しかねないので、最後まできっちりしておかなければならない。

とまあ、そんなことはないにしても、私が言いたかったことは、決してお客さんの悪口や、こちらのグチといったものではなく、こういったやり取りの中で、なにを学んだのかを考えてみたかったのです。
つまり、修理に行ったテレビを他店で買われたり、修理に行ったインターホンを、自分でつけると言われたり、こちらにとって腹が煮え繰り返るようなことでもお客さんの方から見れば、自分の利益を守ろうとしているわけで当たり前なことなのです。それではあまりにも心が冷たいとお思いかもしれませんがこちらのほうも、少しでも儲けようと言った下心があったりしてお互い五分五分なのです。

今回のお客さんの場合、そんなに深い付き合いでもなかったといった状況なので、こちらが先にキレて「もうお宅とはつきあえませんな〜」と言ってしまえばそれっきりなのですが、安い頭ぐらいいくらでも下げれる、下げていれば必ずや可能性が出てくるのです。こちらが深く考えてるほど、お客さんは考えてない。
実際、インターホンをつけ終わったあとの話で、以前の壊れたテレビは、某○○店で買ったのでまたそちらで買った、というような単純な動機なのだ。
こっちも、負けないくらい気楽にいこうと思いました。
2001/10/14 (日)
見込み商品
お客さんの顔がテレビに見えたり冷蔵庫にみえたり、顔を見たとたんに一番に思い浮かべるのはもうそろそろ買い替えだなとこちらが勝手に期待してる家電品だ。期待通りに買い換えていただければそのことは、すっかり忘れてしまうのですが、一旦期待の家電品が脳裏にインプットされてしまうと、何年も記憶に残っているものです。
私なんか、もう10年以上前のことでも成約できないまま縁切れになったお客さんの顔も家電品と重なっている。顔を見るたびに何処そこのメーカーの何年ぐらい前のどんな形まで思い出しますので、「そろそろテレビどうですか〜」っといった挨拶になってしまいます。

ところが、次はテレビだと勝手に思い込んでるものですから、たまにスコーンと冷蔵庫を他店で買われたりすることがあります。そんな場合は、しまったーと思ってもさほど後には引かないのですが、これが、普段から期待してるテレビの場合だとそうともいきません。しばらくはショックで落ち込んでしまうし、お得意さんに対する疑惑の念も押し寄せてきて、あるいは、こちらに何か落ち度があったのかとか考え込んでしまったり大変です。
そんな時、買い換えられた新しい電化製品を目の前にして、いつ、どこで、誰が・・・いくらでいったいどうして・・・と突っ込みたくなるのですが、顔を引きつらせながら突いて出る言葉は「いいの買われましたね」ですね〜そこで根掘り葉掘り探りを入れる勇気も持ち合わせてないし、そうすれば必ずやお客さんの機嫌も損ねてしまいますので、ここはやはりグットがまんでしょうか

相手からの反応を見て「実はね・・・」か「買う積もりなかったけど」か「急に壊れて困ったので」とかそれによってつぎに返す言葉もちがってくる。たまに、もらったとか白々しいうそをつかれることもありますが、こういったときはやはり正直に言っていただくほうが、今後も親しくお付き合いできると言うものです。
2001/10/16 (火)
偉大な人物
6kg洗いの全自動洗濯機の納品据付。
値段も安くなったもので4万円台だ。以前はステンレス層というだけで結構な値段していたのだが、このごろは、はいて捨てるようなものだ。
今日のお客さんは、二層式の洗濯機からの買い替えだ。まだまだ使えるのだが、実は、そのお宅は先日ご主人がなくなるといった不幸があって、そのショックで奥さんも体調崩され入院されている。おうちでは息子さんが一人留守番されている状態なのでいろいろと不便だと言うことで買い換えとなったわけです。
軽く言うようだが、私も、もう10年からのお付き合いされてるお客さんで、ご主人にもずいぶんかわいがってもらっていたので残念でならない。奥さんにも出来るだけ早く立ち直ってもらいたい。

さて、洗濯機だが、かなり長い間家のことも手につけられないでいたせいか、洗濯置き場は下のほうに石鹸かすや、ほこりのかたまりなどが一面に残っていて、処分の洗濯機を出した後は掃除が大変だ。奥さんが不在と言うことで覚悟はしていったのだが、いつもながらぞっとするのです。
防水パンがあるので水で流して洗うことも出来るのですが、問題は、排水溝の中のトラップに残っている糸くずとか、洗剤のカスこれらがヘドロのように滞ってるのは間違いない。私はこれが非常に苦手なのです。見ただけで吐き気がしてめまいがしてくるのです。しかも、この掃除は、狭いとこなので道具は使えず、すべて手で掴んで出さなければきれいに取れません。

そのことを思うと気が重たくどうしたものかと立ちすくんでいところに、亡くなられたご主人の弟さんが手伝いに出来ておられ、私のヨコからすーっと前に出られて、何のためらいもなく素手でヘドロを掻き揚げ掃除され始めたのです。「こんなもんきれいなものだ・・・」と、聞くところによると、公衆便所の掃除の仕事されてたらしい。その姿を後ろから目の当たりにして「うわーっ」と思うと同時に、しばらくするとそのおじさんがすごく偉大な人物に思えてきて小さな感動さえ覚えたのです。

どんなにえらい人でもこんなことはできないな〜 こんな人たちによって世の中がきれいにされてるのだな〜っと感動したのです。
ブッシュもラディンもこんなことは出来ないぞ、みんな生きてるというだけで何かしら社会の重要な歯車のひとつとして存在しているのだ。
2001/10/17 (水)
記念日はカッコだけか?
今日はこの先を占う意味でも記念すべき日だったのをすっかり忘れていた。
かねてから、練りに練って計画した「パソコンサポート」の一大イベントの日だったのだ。そう、製作に一ヶ月かかったパソコンサポートの落ち着いた、深みのある超豪華チラシ、その内容はといえば、ぐんぐんひきつけられるサポート内容、そしてあっと驚く料金体系。何といっても目玉は「使えるかどうかわからん、とにかく見に来てほしいコース」と「とにかくわからん、とりあえず見に来てほしいコース」の二本柱、!!各コースとも1500円ポッキリという超破格値だ!!

お客さんとすれば、直るかどうかもわからんし、ちゃんと教えてもらえるのかどうかもわからんのに、来ただけではい○○円取られるのはあほらしい。そこで”見るだけなら1500円で見ましょう”と打って出たわけだ。まさか、ここで、本当に”見るだけ”と疑いをかけるようなひねくれ者はなかろう。ここでの見るだけというのは、ちゃんと診断して、「こうすればよいですよ〜」っとアドバイスすることです。その先は別料金になりますよと親切に説明します。これは、グッドアイデアだと自分ながら感心した。

さて、このパソコンサポート受付中のチラシ4500枚が今日の朝刊に入ったのだ。
先程のコースのほかに、初心者の陥りやすいトラブル解決します、パソコン安心のお店【アサミでんき】と中央に書かれていて、さらに【URL www.asamidk.com】がどーんと光っている。

そうです、今日はURLが一般公開された記念すべき日なのです!!・・・と朝のうちは覚えてて、少々緊張の面持ちで興奮していたが、昼になっても一本も電話かからず、メールによるお問い合わせはと言うと、そのフォーム作りに間に合わなかったので期待できず、昼からは、雨の中を29型のテレビ納品、25型の修理品納品と重たい目をしたのですっかり忘れてしまっていた。

今日のMLでのI氏の投稿、「最近は個人ユーザーのサポートはすっかり減ってきてもう当てにしてない」とのことそんなんわかってたらはよ言ってほしかったな〜 
ひょっとすると、見るだけというのが”本当に見るだけ”ととられてしまったのかな???
そんなあほなことないな〜 4500枚では知れてるな〜 まあ気長にマットコ。
2001/10/22 (月)
クレーム処理は、冷静に
このところパソコンの売上はさっぱりだ。それを見透かされたようなクレームがついた。
少々おかんむりのお客さん。PCは富士通のデスクトップで、17インチCRTモデル旧タイプ 掘り出し物 Win98 納めて
からもう4ヶ月になるのだが、今ごろになって不満が一気に噴出してきたみたいだ。
「説明書がおかしい」、「パソコンの機種名が説明書に書いてない」
「でてくる画面が本に書いてあるのと同じでない」
「書いてある内容が、このパソコンに該当しないことが書いてある」
「いろんなソフトについての解説はあるが肝心のこのパソコンについての説明書がないではないか」
「やすもんだから使い方が難しいのではないか」、
「アウトルックより、らくらくメールBOXのほうが簡単で面白そうだ」
極めつけは
「富士通のパソコン買ったのに、やれマイクロソフトだの、ウィンドウズだのなんで外国の会社の名前が載ってるのか」
「今は、みなMEになっている、WIN98よりMEが簡単に覚えられるようになっているのではないか」
掘り出し物といって古いのを売りつけたのか」「古いので難しいのではないか」
こういった言葉が機関銃のごとくダダダダダッと飛んできた。

これまで順調に使われていて、メールやら、エクセルなどもしだいにマスターされてきていたので正直言って面食らってしまった。もちろんコールがかかればすぐにお伺いしていたし,そのつど丁寧に説明してきたはずだったのだが・・・

こちらも、かなり気持ちが高ぶってきたが、グーッとおさえて冷静に、パソコンはただの箱でそれだけでは何も仕事しないといった
説明から入っていった。
お客さんのほうは、とにかく富士通に対する不信感がありありと見受けられ、その疑惑の念を晴らすのが先でした。富士通は機械だけ作って売ってること、ウィンドウズや、初めからついているアプリケーションは、別の会社が作っていて、富士通が直接作って売ってるわけではないこと、ある意味でサービスに近いので、ひとつひとつのアプリケーションについてそんなに詳しい説明書は付属ではつけれないことなどちくいち説明しなければならなかった。
技術的なことならまだしも、また購入前のことなら力も入るのだが、購入後にこんなことを時間かけて説明してたらたまったものではない、情けなくなってきた
しかしながらお客さん、いまにも”こんなものはいらんからもって帰れ”、もしくは、”新しいもっと簡単なものと取り替えろ”と言わんばかりの剣幕なので、こちらとしても慎重に言葉を選びながら、機嫌を損ねないように丁寧にわかりやすく説明する意外方法なかったのです。

1時間ぐらい説明するうちに、不機嫌ながらも、なんとか、納得してもらった。
このお客さん、何冊もエクセルとかウィンドウズ、ワードの本を買ってこられて勉強されている。それでも、なかなか思うように行かないので、とばっちりがこちらにきたのではないかな〜
冷や汗ものだったが、中には、購入後少し触って手におえず、そのままほったらかしといったお客さんもあるので、この方の意欲には一目おかなければいけないと思った。
2001/10/26 (金)
ドアクローザーで怒った
普段はあまりしゃべらない年配のご主人なのですが、今回はたまらず爆発した。
もうかなり前のこと、テレビを買っていただいたときの話であるが、玄関のドアが閉まるときいつもバタン!!と、まるで地震でも来たかのような大きな音がしてた。よく見ると油圧式ドアクローザーの油が垂れ下がっている、何でも屋の私としては、つい首を突っ込みたくなるのです。

「奥さんこんなにきつくドアが閉まってたら危ないし、いつかは壊れてしまいますよ。直しましょうか?」
「わーっほんとー?うれしー 」 約20000円ぐらいですよ。専門の業者さんなら4〜50000円ぐらい取られますよ。ほんとのところはどれぐらいとられるのか知らないが、まあ2万円ぐらいなら決して高くはないだろう。ホームセンターに行けばいろいろ売っている、だいたい8000〜15000円ぐらいまでだが、問題は、まったく同じものなど何処を探してもないので取り付けに関しては、かなりの応用や技術が要求される。  せっかく買ってきても自分でつけられないということになってしまうということだ。

これまで、3〜4回やったがけっこう取り付けに技術がいるし、取り付けたあともしまり具合の調整が難しい。これまで取り付けたところも全部あとでクレームがきた。一度は、開け閉めしている間に止めてたビスが緩んでボトっと落ちてきた。これには大恥かいた。あとは、何ヵ月後にしまり具合のスピードに変化がでてきて、しまりにくくなるといったものだ。いづれにしても、あとあとのこともあるのであまり美味しい仕事でもないのだが・・・

さて今回のクレームは、取り付けたときにも気になってたのだが、全開にしたときドアが止まらなくて、じわーっとしまってくるので何かはさんで置かなければならない。このめんどくささに、爆発されたのです。
電話で「こんなもんいらん。まだ前の分のほがましだ、金はやるから、元のやつに取り替えろ!!」と言われても、油のにじんでた鉄の塊、とっくの昔に捨ててしまった。

夜も暗くなってたが、すっ飛んでいっていろいろ調整してみるが、どうしても全開でストップしない。ご主人は「もういい。ほかの者に頼むから帰れ」こういったとき、「そうですか〜すみませんでした」といって帰ってしまったらこのお客さんからはもう二度と、声はかかってこないのがわかってますので、「必ず何とかします。責任とりますので、明日まで待ってください」といってとりあえずその場はしのいだのでした。

電気製品だけやってればいいものを、シロウトがこんなのに手を出すからやぶへびだと後悔しながらも、翌日市販で売ってる、ドアストッパー、足でレバーを上げたり下げたりできるものを買っていった。マグネットなので簡単に取り付けできた。
テストが終わって、奥さんがご主人を呼んでくれた。
奥から、ご主人が出てきた。こわごわ「こんなんでどうでしょうか?」
ご主人思いのほか顔がこわばっていたが、取り付けたストッパーには目もやらず、「あんまり気を使わんといて・・・」一言ってまた奥へスーッと消えていってしまった。そこで、私の肩もスーッと力が抜け落ちてしまった。

あとで奥さんに聞いた話だが、もうずいぶん前から、何回か専門の業者に頼んでたが、みな合うのがないといって断られていたそうだ。ご主人もこのドアに関しては難しいのを知っていたそうな・・・
それを聞いて、ということは、私のした仕事は・・・???
2001/12/07  
ありがたいお客さん
日立は、DRCタイプの蛍光灯(従来の普通の環球とは違って三分の一程度の太さの輪が二重になっている)を使った照明器具をペアルミックといいます。   ご多分に漏れず、半年前、当店でもチャレンジセールというのに“巻き込まれ”て何台か販売いたしたのでございますが、そのときのうたい文句が、明るい!!電気代安い!!1.5倍も長持ちする!!リモコンでつけれる!!
セールストークの超苦手な自分ですが、こんな簡単明瞭な内容でしたので参加できたのです。
先日、そのときにリビングに取り付けたお客さんから、「どうも暗い感じがする、本が読めない。一度照度計持ってきて計ってくれ」・・・といわれても照度計なんて持ってないし・・・とりあえずお伺いしてみた。

「どうも暗い感じがする」というクレームでよくあるのは、点けた瞬間のことを言っておられる場合、蛍光灯はそんなもので、つけて5〜10分ぐらいしないと100%の明るさにはなりません。   おそらく、これぐらいのことではないかと予想して行ったのですが、行ってみるとまるで夕暮れ時に照明をつけるのわすれて薄暗いところで仕事してる状態。あまりにも暗いのでスタンドを持ってこられ、その明かりでなんとか見えてる暗闇の状態なのです。

そこで、とりあえず照明器具のカバーをはずしてみると、蛍光菅の中でムラムラがぐるぐるまわっている状態でなにやら菅球のなかに蛇でも走り回ってるかのようで見た目にも気持ちわり〜のです。   これはやばいと思いすぐさまふたをしたのでございますが、お客さんの目にはしっかりと見られてしまった。「いまのなに〜 なにか動いてたで??」原因に付いては自分でもよくわからないところもあり、お茶を濁すのに一苦労・・・これはおそらく器具の出力不足か、または菅球自体のガス漏れか???どちらかしかない。

これは、ただごとではない、照度計なんかなくてもすぐわかるではないか!!
「いっ いつからですか?」
「一ヶ月ぐらい前からだ」
「ずっとこんなんで我慢してたんですか?」
「いやだんだんこうなってきた」
気の長いお客さんで助かったが・・・・・
こちらの様子で、お客さんも異変に気がついたのか、急に、「こんなん買ってからまだ半年にもなってない」  「明るくて長持ちすると言ってたのはどうなったのか」  「いままでこんな細い変わった菅球見たことない」  「本当にどこでも売ってるのか?まさかおまえのとこしか売ってないのではないだろうな。」  「日立はだめだ」 「ほんとにテレビでやってる”インバーター”なのだろうな」
例のごとく、立て続けに言葉の散弾銃が襲ってきた。 

こういったときに私があらかじめ用意してある殺し文句があるのです。
1、お客さん、早く壊れてくれて助かりましたよ、2〜3年たってからでしたらそれこそ困ったものです。
2、機械はいつかは壊れますが早く発見されれば、かえってあとは長持ちするんですよ!!
1)に関してはあたってるが2)に関してはその場しのぎのいいかげんな返事で自信はない。

とりあえず、明日もう一度来ますのでと了解いただいてその場はしのいだのですが、果たして器具自体の不良に寄るものなのか、球の不良なのか判断しにくい。それでも、長年の感からするとこれは器具不良の可能性が高い。
器具の交換は明日すぐに手配は付かないので、球の交換だけで直ることを祈るしかない。

次の日、どうせ直らないだろうと代わりの器具も持っていったが、意外にも球の交換だけでスーッと直ってしまった
お客さん  「ほかのうちでもこんなことあるのか? うちだけか?」
こんなとき、いつもこう聞かれるのだけど、「どこでも、しょっちゅうありますよ」と言ったほうがお客さんは安心されるのか、「こんなこと初めてです。マンが悪かったのですね。」といったほうが安心されるのか、いつも迷ってしまって、
う〜ん、時々あるようでないような」といったいいかげんな返事でごまかしてしまってます。
直ってしまえばお客さんも納得されたみたいで、「あんた損はせんのか? 代わりに俺がメーカーに文句言ってやろうか?」
急にやさしくしていただきました。本当に直ってよかったです。
2001/12/21 (金)  
 ご住職とCDとクリスマス
先日、うちのお客さんでもあるお寺のご住職さんが亡くなられた。
お年は80歳ぐらいであったが、まだまだ元気そうでしたので残念でならない。 生前はずいぶんといろんなものを買っていただいた。  とくに、音の出るものが気に入っておられ、ラジカセなどは新しいものに目がありませんで、覚えてるだけでも数台買っていただいたと思う。

最後に買っていただいたのも、ついこの前の9月17日、ソニーのCDラジカセでした。いつもなら、そんなに細かい注文されないのですが、今回に限っては、ラジオの選局がワンタッチで出来るものというご注文でした。 ラジカセ自体が消滅しつつある中で、ワンタッチ選局のついたラジカセはなかなかありません。カセットの方は落語を聞くのが目的みたいでした。
どうしても、手ごろなのがないので、「CD付ではどうでしょうか」と持ちかけましたところ、「CDは知っているが、持ってない。はてどんなものぞ?」・・・ここは、やはりCDの便利さ音のよさを知ってもらうために、「それでは、ワンタッチ選局のCDラジカセと落語のCDをセットで探してきます」ということで、数日後、ご希望の品をお届けできた。

しかし、その後の感想については、すぐに入院されたこともあって結局聞くことは出来なかった。
巻き戻しせずに何回でも聞けるし、生きておられるうちにCDの便利さも体感できて、おそらく喜んでもらえたであろうと勝手に思っている。

ご住職は、よく「商売はどうですか?景気はどうですか?」と合うたびに聞かれてました。
一度私が「もうすぐクリスマスですね。ケーキはどうされるのですか?」と聞きましたところ「うちは関係ない」と軽く答えられ、私は、自分の思慮のなさに大恥かいた覚えがあります。 でもすぐさま、それを察してか「うちもケーキぐらいは買うのですよ」と話をあわせていただきました。

年々ハデになるクリスマスの電飾・・・信仰心のないうわべだけの飾りつけは、本当に信仰されてる方々や、外国人などからすれば、こっけいに見えてることでしょう。
”ただきれいだ”ということだけでいいのかも知れませんが、こう景気も悪いと、物悲しく見えてしまうのも事実ですな〜
ご住職のご冥福心からお祈り申し上げます。
2001/12/30 (日)
電気屋さんも怒る
何でも、お任せモードのおばあちゃん。もうかれこれ20年近いお付き合いになる。
もう、ご主人に先立たれお一人でお住まいなのですが、まあ、お隣に息子さん夫婦がお住まいなのでそんなに心配は要りません。 少し片足が悪く歩くのは不自由されてます。
私がまだ20代のごろから知っていますので、ずっと"にいちゃん、にいちゃん"と呼ばれてるわけですが、私が50代60代になっても"にいちゃん"と呼ばれるのかと思うとすこし気恥ずかしい気もいたします。

さて、このおばあちゃん
10日ほど前にパカパカするといわれて取り替えた、流しの手元に付いてる20wの蛍光灯、またつかなくなったということでお呼びがかかった。こんなとき、よく「あんたとこの蛍光灯すぐ切れた!」といかにもこちらのせいにされ、クレームいっぱいつけてこられる方がほとんどなのですが、このおばあちゃんは、「もう、ダメになったのかね??ダメになったのなら器具ごと新しいのに替えてくれるか」とおっしゃるので、こうこられると儲けなんか度外視して、なんとしても直さねばと思ってしまうのです。
その辺は、年季の入ったおばあちゃんのこちらの心理を読んだ作戦かもしれません。

行って見ると、なるほど全く反応しない。 こんなとき考えられるのは
1、前回交換したとき、菅球がキチットはまってなかった。
2、グロー球を替えてなかった。
3、引っ張るスイッチが中で壊れてる。
4、器具自体が悪い(特にソケット)
そしてあたりまえのことだけど、
5、電気が来てない。
おばあちゃん「つかないので、ひもをずーっと引っ張ったまましばらくしてからぱっと放すようにしてるんだけどダメだね」・・・なるほど昔グロー球の無いごろはそうしてたのですね。 けっこうタイミングがむつかしかったですが、面白かったです。 なつかしくて思わず、はははと笑ってしまいました。 おばあちゃんも、へへへと笑ってごまかしておられました。

さて、いろいろ調べたけど器具は異常ない。
家も築25年ぐらいだし、流し元灯の場合たいていは壁スイッチは付いてないのが普通なので思いつかなかったのですが、やはり電気が来てないのです。「おばあちゃん、どこかにスイッチあるんじゃないの??」そこらじゅう物が散らかってるし、壁にはいろんなものが吊り下げられてるのでどこに何があるのかわからない。 見回すと、スーパーのビニールの買い物袋がいっぱいつまった袋のかたまりが5〜6個並べてぶら下がってるところが一番怪しげなようす。
さもあらん、見つけました、買い物袋の後ろにスイッチが隠れてました

ここで、いつものことですが、いきなり「ここにスイッチあるじゃありませんか。自分で切ったんじゃあないの〜」などと言うと100人中100人までが、「そんなもん知らん知らん、誰が切ったの?自分ではさわってないよ」とおっしゃるのはわかってますので、言い逃れしやすいように「おばあちゃん、たぶんここに袋をぶら下げるときに手がさわって切れてしまったのですよ」と言うと、それでも「そうかね??スイッチなんて知らなかった。誰が切ったのかね?」と、やはり予想していた通りの返事が返ってきた。 

こういった、電気がつかないときは、お客さんはあわてられるのでしょうか年に何回か呼び出しくらいます。
今後のこともあるので、ここは少し気合を入れ替えて、「今度は、ちゃんと覚えといてくださいね!!」と少しばかりきつい口調で言うと、バツ悪そうに「にいちゃん、忙しいのにごめんな、なんぼ払お・・・」
当店では、こんなときお金もらったこと一度もありません。
充実感といえば聞こえがいいのですが、「ああ、少しは、これまでのお返しができたな〜」または「少し貸しが出来たので、又何か買ってもらえるかな〜」っと安心するぐらいです。
ということで、怒られてばかりでなく、たまには電気屋さんも怒るんですの巻でした。
2002/01/28 (月) 
パソコンとパニック
何とかメールの送信ぐらいできるようになった60歳代の奥さん、メールが送れなくなったということで、いつか一度見てほしいと頼まれてました。
エアコンの修理もあり、お伺いすると、たまたまそこに知り合いだと言う若い方が来ておられ、ついでにトラぶったパソコンの診断をされている最中だった。
エアコンの修理しながら、それとなく聞き耳立ててると、その若い方「これは、12月18日にインターネットされたなら、ウィルスが入ってるかもしれない。」「レジストリが調子悪い。」「ウィンドウズが起動のときに正常な状態を読みに行くので自動的に直るはずだ。」続けざまに知ってるらしきことをまくし立て、あちこちさわってるうちにどういうわけかウィンドウズの起動さえしなくなってしまった。

もともとメールの設定だけのはずなのに・・・さて、困った。 うしろで画面を食い入るように見ていた奥さん、何もわからないことをべらべら聞かされ、とりあえずは、「へえ〜、そうなの〜、ふ〜ん、」とあいずちうてたけど、さすがに真っ暗なまま止まってしまった画面には心配になって、「あれっ!? 壊れてしまった!?」
すると彼は、「いやこれはTCP/IPが壊れているだけだ。マイクロソフトに電話して聞いてみる。おかしいLANの設定になっている。これは富士通に問いあわせないとダメですね。電話番号がわからないので来週又来ます」などとわけのわからないことを言い始めだした。それでも奥さん、よほど頼りにされてるらしく、「よく知ってるね〜私はさっぱりわからんわ」・・・
私は、心の中で、”さっぱりわからんであたりまえ〜”っとつぶやいていました。
明らかにこの人、パニックになってます。奥さんと話するのではなく、画面を見ながら、一人ぶつぶつしゃべっている。

自分にも心当たりが無いわけでもなく、他人事ではないので生意気なこともいえませんが、誰でもみんな、少しでもパソコンのことがわかってくると聞いてほしくてうずうずしてくるんですよ。  それで聞いてこられると、待ってました!とばかりに乗り出すのですが、どっこいわかることばかりではない、自分の守備範囲外のこととなるとさっぱりなのは当たり前、そんなときに深みにはまるとパニックに陥ってしまうのです。彼の様子はまさにそんな状態でしたので、はたで聞いてて寒気がしました。

気持ちはよ〜くわかりますが、こんなときはじっと黙ってるほうが親切ですしそうそうに切り上げないと大変です。
こちらに飛び火しないかとヒヤヒヤでしたが、出来るだけ見ないようにしてましたので助かりました。 ここで「ちょっと教えて」なんていわれてさわった場合、サポート料金の請求がしづらい。 ここは、傍観者に徹するに限る。
当店で購入されたパソコンでないこともあって、エアコンの修理代だけ頂いてそそくさとその場を退散しました。
その後、聞くところによると富士通に修理に出して2万円ぐらい払われたそうな・・・複雑
2002/02/09 (土) 
リフォームと電気毛布
10年以上お付き合いいただいてる、なんでもお任せモードのお客さん。
これまで、エアコン4台、テレビ、洗濯機、乾燥機、掃除機、婚礼品など一式、とにかく長年の間買い換えられたもの数知れずもあり頭が上がらない。

今回は、ご自宅のリフォームするということで、全面改装されることになりました。
リフォームの工事自体は、どこかの工務店に頼まれたので、丸ごといただき〜ってなおいしい話ではありませんが、お客さんのたってのご希望により、通常こういった改装工事の場合請け負った工務店に出入りしている電気屋さんが入るところを、ぜひ”よく知ってるアサミさんに”ということで、こちらに仕事をまわしていただいたのです。

工務店の息のかかってない当店が外部から入り込むには大工さんとか現場の人たちにに煙たがられ、こちらとしてもすごく気を使うのでいやなのですが、今回は工務店の現場を取り仕切る社長さんが理解ある人でうまく取り計らってもらえそうで助かりました。

さて、今日はいよいよ内装のクロスも終わって、仕上げの器具付けだ。
あらかじめコンセントや、スイッチを取り付けるところは四角くくりぬいてありその中に電気の線も通してある。 その線を引っ張り出してコンセントやスイッチを取り付けビス止めして、カバープレートを取り付ければ完了です。
電気工事やっててこの仕上げの瞬間は一番リラックスしてうれしい瞬間です。

仕事中同じ部屋で、奥さんとご主人の会話を聞いていました。
  「今日はちょっと寒いな。寝るとき電気毛布いるかもしれんな」
  「電気毛布なんて、この改造の間のごたごたでどこの閉まったかわかりませんよ」
  「そうか、でも今晩寒そうなのでどうしよう」
私は、すぐそばでコンセント付けの仕事していたのですが、当然会話の内容も聞こえていました。
これは、きっとこちらに声がかかって「アサミさん、ひとつ持ってきてくれんかね」とくるものばかり聞いていると
ご主人「そこら辺で買ってきたらどうだ。2〜3000円で売ってるぞ。
奥さん「・・・・・」
私「・・・・・」
奥さんはどう思われたのか知らないが、私は、聞こえぬふりをしていました。
私はそれを聞いたとたん、のどまででかかっていた「ひとつ持ってきましょうか?」をぐっとがまんしてて良かったと胸をなでおろしたのです。

お客さんはさまざまです。
20万も30万もするテレビを何も言わずにポーンとあっさり買っていただいたと思えば、うちが電気毛布を取り扱ってることさえも眼中になく、きっとうちが「5800円ですが」と言えば高いな〜とびっくりされ、「もうお宅には頼めんな」なんて思われたかもしれません。
そうです、高い安いは、絶対的な金額ではなくて、相対的なものなのです。その品物に寄せる思いや、手に入ることによる満足感、ほしいと思ったときの気分や体調によっても違ってきます。
あくせくして、売ることにあせるよりも自然体でいよう・・・。
本当に知らぬ振りしていて良かった・・・フーッ
2002/02/17 (日) 
寄らば大樹の陰
先日こんなことがありました。  またまた上得意さんのお話です。 (別にランクわけなどしてないのですけど気持ちとして大変お世話になっているという意味です)
6年前に購入された衣類乾燥機が少々不調だということで買い替えされることになった。
普段、衣類乾燥機というものは、洗濯、脱水してすぐ利用するといったよりも、外に干してたけど、夕方取り込んで見たらまだ半乾きといったときにほんの少し利用されるといった場合が多いと思います。

ところが、このお客さんは、普段から結構良くまわされてましたので、まだ6年で新しいけれども使用頻度からいくと、もうそろそろ買い換えられてもいいごろかなと思いました。
というのも、衣類乾燥機なんて物は、もし洗濯機と同じようによーいどんで競争させたら3分の1あたりまで行ったところでもうくたばってしまう物だからです。 理由は、衣類から発生するほこりです。 以前一度7〜8年使用されたもので修理のために中を分解して見ましたら、中のほこりの山に押しつぶされそうになったことがあります・・・
ですから、いま流行の「洗乾一体型」なんてもんは、水と油、テレビとビデオみたいな関係で、私個人的な意見としましてはあまり信用してないのも事実です。(すこし、ひがみもあるが)

さて、本題とかなり脱線したが
とにかく、乾燥機に関しては、こちら側よりも詳しく、どんなもんかということもしっかりと把握されてるお客さんです。カタログから4kgタイプのを選ばれて納品させていただきました。
ところが数日して、これまで一度もクレームなど聞いたことがないお客さんなのですが、カンカンになってお叱りの言葉。 敷布団のシーツが6cmも縮んでしまったということなのです。布団を丸ごとかぶせるタイプにシーツなので6cmも縮むともう入らないのです。
実際に見てほしいということでお伺いすると、乾燥機にかけてない方の同じシーツと並べておられ、確かに6cm縮んでいるのです。この2枚のシーツはこれまで何回となく以前の乾燥機で乾燥されてましたので、初めて乾燥機にかけたものではありません。どう考えても新品の乾燥機にどこか欠陥があるととられてもしかたないのです。
メーカーサービスも同席してましたが、正座したまま縮んだシーツを目の前にしてしばらく声が出ませんでした。
 「何年も日立のもの使ってきたけど、こんなことは初めてだ。」
 「洗濯ものが全部縮んじゃうんじゃあ怖くてまわせない。」「もうくやしくて、くやしくて・・・」

本当にごもっともなことです。
これまでも、初期不良だったり、意にそぐわない品物、こちらの説明不足で予想に反した品物などは数え切れないぐらいありましたし、少々のことは、すべてメーカーの責任にしてこちらの腹も痛むことなく解決できてきたのでございますが、今回の場合は本当に困りました
まず、今度は
 1)交換品は絶対、縮まない乾燥機を持ってきてほしい
 2)一度店で試してから縮まないのを確かめて持ってきてほしい
 3)同じものはもうあまり信用できないので、別のメーカーのものにしてほしい
とりあえず、現在のものは、一旦使用してようが、箱がなかろうが、不良品だ!!と言って返品は可能なのですが、縮まない乾燥機をもってこいといわれてもはたと困るのです。
いろんなメーカーの物を、何台もテストするわけには行かないし、テストできたとしても、同じ生地のものを使っておられるかどうかもわからない。テストにもかなり時間もかかる。・・・
いろんなことを考えてるうちに、解決方法が浮かんでこなくて半ば頭もパニック状態。本当に今回ばかりはほとほと困りました。
仮にここで、「不良品に関しては引き取らせていただきますが、代替の品物については確実に保障できるかどうかわかりませんので、今回ばかりは他で都合つけてください」な〜んて言おうものならもうそれっきり出入り指し止めになってしまうこと間違いなしです。

ここは、もう一度他メーカーのもので試していただくそれでだめなら、またほかのものと交換する・・・これしか思い当たらず、一か八かですが、N社の物で使用してもらうことにしました。
1週間後の結論は、どうやら”大丈夫だった”ということであっけなく一件落着となりほっとしたしだいです。
めったとないことなのですが、やはりいざというときには、メインで取引してる販社は無理も利いてくれるし、世話にならなくては自分ひとりではどうしようもないことだってありうるのです。
明らかに不良であれば文句も言えるのですが、もし今回のトラブルがメイン以外のメーカーでしたらおそらく相手にしてもらえなかったでしょう。
その点、普段高い高いと思いながらでも、できるだけメインの販社のほうから仕入れてるのはこんなときのためなのです。
だんだんと販社からの仕入れも減ってきてるが、”頼りになる営業マン”が顔を出してくれてるうちはやはり顔を立ててやらなければ人情もすたるというものだ。
2002/03/03 (日) 
同業者は水と油
明日テレビが入るのでBSアンテナをつけてほしいとの依頼。
なじみのお客さんなのですが今回は、どういうわけか日本橋でSONYのハイビジョンテレビを買ってこられた。だいぶ前に当店に「そのうちプラズマ安くなったら買うぞ」といっておられたのですがあまり期待してなくて、その後うちもなんのアクションもしてなかったので、仕方ありません。
平気な顔して「テレビ買ったから・・・」と言われたときはショックで、普通なら「アンテナなんて買ったところで頼んで」と言ってしまうのですが、もしそう言ってしまったらそのお客さんとはもうおしまいです。二度とお声はかかりません。長年の間積み重ねてきた信頼もいっぺんに崩れてしまいます。これまで結構いろいろ買っていただいてますが、今回はおそらくふらっと見に入って、ソファーに座らされ、コーヒーの一杯でも出されて高画質の画面と迫力のある音響にコロッといってしまったのでしょう。
こちらが、もって行くものといえば、”それらしきものが写った紙切れ”だけな物で、どう転んでも現物とは対抗できませんので仕方ないですね・・・

さて、テレビが入った当日、電話がかかってまいりまして、BSが写らないとのこと、すぐにお伺いすると、量販店の若い兄ちゃんと少し年配のおじさんがセッティング中。 若い兄ちゃんの背中には「SONY」と書かれたジャンバー着ていて主に設定してるので、こいつが詳しいのか?
「まいど、写りませんか?」               兄ちゃん       「・・・・」無言
「普通のチャンネルはどうですか?」    兄ちゃん   「・・・・」無言
お客さんは、なんか申し訳なさそうな、困惑した表情
何じゃこいつらは!!こちらもいい気分ではないのに、お前らに無視される筋合いはないワイ!!っと思ったが、こちらもまだお金もらってないし、お客さんの前なのでぐっと我慢して、「ちょっと調べてみます」こんなときはBS電源の15Vがアンテナまで届いているかどうかを調べるのが基本だ。

テレビの後ろから順を追って調べてる途中、若い方の兄ちゃんが口を開いた。
「ブースターはつけてるんですか?BSはブースターがないと電源がないので写りませんよ」 「ほ〜ら、やっぱりだめでしょう。ちゃんと工事してないんじゃあないの・・・」
????思いっきり驚いた。こいつ何を言ってるんだ!!??背中に「SONY」を背負い込んでそんなアホなこと言っていいのか〜!!あきれて物も言えんので今度はこちらが無視を決め込んだ。
しかも今度は、携帯電話で、どこかに電話してる「ブースターがついてないのでBS写りません。調整は後日でもいいですか?」・・オイオイここだけでなくあちこあちに恥を撒き散らすのか〜!

そうこうしてるうちに、ぱっと写る。オ〜写ったとお客さん。
こちらのほうは、ぐんぐんと血圧も上がり、頭の中はどんな”仕返し”をするかでパニック状態。
そこで、そばで一部始終を聞いておられたそこの奥さん、実は、私が心筋梗塞で入院してたことはご存知で、いつも気を使っていただいてたのですが、こそっと一言「やはり、アサミさんでないとダメね」この一言でスーッと血圧も下がり興奮も収まったのですが、こんなに腹が立ったのも久しぶりです。
同業者同士の関係は所詮水と油、利害の対立しないところでないと”ふれあい”は難しいのでしょうかね・・・
お客さんも、同業者同士をガッチンコさせることだけは絶対避けてほしいですよ
2002/04/10 (水)
電気屋の使命
十数年お付き合いいただいてる年配のご夫婦の奥さんより「風呂のお湯が一晩で10cmぐらい減るのだけど見てほしい」とのこと。日ごろから電気のことだけでなくて、水道のことやガスのこと簡単な大工仕事のことなんでも頼んでや〜っと言ってあるのでこういった依頼もうれしいものです。
どうせ、ゴム栓かパッキンぐらいだろうと行ってみると、そうではなく追い炊き用のボイラーの底からポタポタもれててそこらあたり水浸しになっている。ボイラーはもう15年ぐらいは経つだろうか一番オーソドックスな自然循環式のやつだ。おそらくその中のどこかに穴でも開いてるのだろう。・・・ということは火が燃えるバーナーのうえからみずがかかっていることになる。
「奥さんいつぐらいから漏れてるの?」
「もうだいぶ前からだけどだんだんひどくなってきたんよ。」
「こりゃあどう考えてもあぶないよ。ガスが燃えてるその上から水を掛けてる様なもんだ。火が消えたらそれこそそこらじゅうガスがあふれ隣の家にでも入ったらそれこそ大変だ。」
「任すからなんとかしてよ・・・」ということで早急に何とかしないと風呂にも入れないし・・・

そこで、何年か前に、家を建て替えられるお客さんで、どうせ家つぶすからいるもんがあったら外して行っていいよということでまだよさそうな追い炊き用のボイラーを外してどこかにしまってるのを思い出しました。

さっそく帰ってゴソゴソ探してみると、おお〜!あるある! あと必要な材料といえば、循環のゴムホース、強化ゴム管程度、ホームセンターへ行けば手に入る。 すぐ折り返しその日のうちに工事も終わる。 風呂にも入れるようになり、しかも新品をつけた金額から見ればほぼ3分の1で済みお客さん大喜び。

「本当は、先に10年ぐらい前に修理してもらったとこに電話してみたんよ。そしたら、この電話もうつかわれてませんだったんよ・・・」
「奥さん、つながらなくてよかったじゃあないの」
長い付き合いの中で、普段は少しぐらい高い値段で買っていただいててもこういった形でドバ〜っと得していただければこちらとしても気が安らぐ。
しかも、こっちも、今日の日当プラスおこずかいぐらいは稼げたし今日はいい日でした。
何でも任せていただいてるお客さんであればこそ、その期待に報いるのが自分の使命だと信じてるまじめな電気屋でした。
2002/04/26 (金) 
駆け引き
 掃除機の吸い込みが悪くなった、音もなんか”しんどそうな音”がしてる。 そろそろ買い換えようかと思うが一回見てほしいという依頼。  ずいぶん長く取引いただいてるお客さんで、ほとんど当店で買っていただいてる。
掃除機は、94年販売してるのでまだ8年ぐらいか・・・まだ使えるかなぁと思いつつカタログに特価の値段書いてお持ちする。

 掃除機も1万円ぐらいから6万円もするものもあり色々あって、どんなに違うのかときかれても実際のところ良くわからんところだ。
いつもお勧めするのはだいたい2〜3万円のところだけど、このあたりのクラスでも2〜3種類あり4〜5千円の違いがあるがいずれもホースとか床ブラシのちょっとした違い程度で、どれも本体は同じものなのではっきりと説明づらい。
つまるところお客さんにとっては、軽くて良く吸えばそれでいいのだ。

 カタログ見て、もうほとんど買い換える気になっておられただが、まあ一回見て頂戴とのことである。
実は、あまり現物を見たくなかったのです。
というのも、電話で症状を聞いたときすでに原因はつかめていたのだ。ホースに何か詰まっていることが・・・
「そうですか、一回見ましょう。こうなる前はよく吸ってましたか?不便はなかったですか?・・・」っとさりげなくお客さんの意思をさぐる。もうあきらめておられるのか、それとも直るものなら直してと思っておられるのか・・
「よく吸ってたんだけど・・・」  どうやら直してもらいたそう・・・

次のステップは、「奥さん、ホースに何か詰まってますよ。取れればいいですが、取れなければ、ホースだけ買い換えてもいいです。ただし4〜5千円はかかりますがどうします?」
「あらそう、どうしようかな・・・・」
ここで、”そうじゃあ買い換えるわ”っとくれば、それではどれにしましょうかっとなるのですが、まだ迷っておられるので、こちらも気をきかせて「だめかもしれませんが、一度挑戦してみましょうか。取れればもうけもんですよ」
 ホースの曲がり角に詰まってる場合は、水道の蛇口にホースの口を突っ込み隙間の部分はタオルでしっかりふさぎ水圧を利用してゴミを追い出すのです。この方法はもう何十回とやってきました。
ゴボゴボ!!真っ黒いゴミの塊がにゅるっと出てきた。
「あら!こんなもんがどっから入ったの? へ〜!たったこれだけのことだったの!?助かったわ。ありがと〜」と大喜び。

 お客さんの中には、修理した後、すぐ”いくらですか?”と聞いてもらえる場合と、このように、いきなり、”助かったありがとう”で終わってしまう場合があります。 しかも、今回「たったこれだけのことだった」と強調されましたので、気の弱い私としては”修理代は・・・”となかなか切り出せないのです。

 以前、同じようなお得意さんで、テレビの修理でした。 比較的簡単に直った修理でしたが”3000円です”と言った後「あんたとこ、これから来るたびに3000円取るんだな!」と血相変えていやみいわれ「いえいえそんなことはないです。今回は技術も必要でして・・・」と言ったものの20年来お付き合いいただいてたのに、たった三千円でぷっつり切れてしまいました。
 お客さんから見れば「たったこれだけ」に見えても、これまでに何度も苦労してるからこそ簡単なのだということは、なかなかわかってもらいにくいものです。 
それ以来少しばかり慎重になっておりまして、今回も「いやー直ってよかったですね〜。次回またお願いします」っと言って、お金もらわずにそのまま帰って来ました。

 故障の状態が初めからわかっているのに駆け引きするとは、一見ずるそうに見られるかもしれませんが、これでもできるだけ正直に商売しようと心がけているのです。お客さんの利益と手前の利益をうまくバランス取りながらお付き合いさせていただいてるのです。
・・・とえらっそうなこと申してますが、実は奥さんパソコンがほしそうなんですよ。 それで、この辺でちょっと貸しでも作っておいて・・・な〜んて下心もあったりするのです。
それにしても、なかなか儲かりまへん・・・
2002/05/16 (木) 
ペットは苦手
今日のワンちゃんは怖かった。
エアコンの工事でしたので、何度も出たり入ったりしなければならずそのつど吠えまくられました。
そんなに大きな犬ではないのですが、吠え方とその表情で大体わかる。言葉ではとても言い表せないぐらい動物の本性丸出しでそれはもうこの世のものとは思えないぐらい怖かったです。

 今回は外につないであったのでまあ避けて通ればいいですが、室内犬の場合は困ります。
マルチーズ、ポメラニアン、シーズ・・・こちらが怖がっていると余計にほえてくるのです。
飼い主のお客さんは、「大丈夫、なにもしやせん」とおっしゃりますが、かなりうるさくほえて足の周りにまとわりついてきます。
 たいてい、おうちにあがる時は確かにキャンキャンほえるばかりで噛み付くことはありませんが、気をつけなければならないのは帰るときのほうです。どういうわけか、帰るときに噛み付かれることが多いみたいです。 これまでも何度かありました。

 結構痛い。「いててて〜!」と言うと、お客さん「あらや〜だ。噛みました?へんね〜?だめよポンちゃん」「ごめんなさいね・・・」で終わりです。
 こっちは、大体この犬はやばそうだなというのが感でわかります。 そんな時「奥さん噛みませんか?」と聞くのですが決まって「この子はほえるだけなんですよ。 大丈夫です」とおっしゃるので、それ以上「いや、絶対噛みますよ」なんて言えません。
ところがキッチリ帰るとき足のすねを噛みつかれる。
こっちとしては噛み付くかどうかは、経験と言いましょうかこちらの動物的本能と言いましょうかだいたいわかるんです。飼い主の方は鈍感になってましてわからんもんです。こちらが、怖がった時ぐらいは、押さえつけていてもらいたいものです。
噛まれたとき、思いっきり蹴飛ばしてやろうかと思いましたが、お客さんの目の前、そうも行きませんね。それこそ泣き寝入りするしかなさそうです。
2002/06/16 (日) 
「すぐ止まる」にだまされた
7〜8ヶ月前に、自動二槽式の洗濯機から全自動洗濯機に買い替えられたお客さん。
買い替えの時、これまでどおり自動二槽にするか全自動にするか迷った。 「自動二槽」というのは、もうほとんどのメーカーは生産していない。唯一日立ぐらいなものだが、結構かくれファンもあると思う。 そういう自分自身も好きで、これほど全自動洗濯機が全盛になる前、二槽式を使用されていて次に買い替える場合、ほとんどこの自動ニ槽というのを薦めていた。全自動はどうも・・・というお客さんにもこの自動二槽を薦めていて、ほとんどのお客さんは「これはイイ」と喜んでもられたものである。

さて、今回の修理コールであるが、
「脱水ができない」
「脱水スイッチを押すとすぐピッピッピーと鳴って止まってしまう」
「今までそんなになったことがない」
「まだ、買って半年なのにもうこわれた。」
「すぐ来て・・・」
 う〜ん困った。”スイッチ押してすぐピッピ”は、これまでの経験から、どこか回路故障に違いない。これはすぐには直らないが、こういった場合すぐ駆けつけることが大事。ほかの仕事もあるのだが、さておいて、駆けつけることにする。

こういったトラブル等のコールの場合、見に行って、まずお客さんから「やってみて」と言われても、ご本人にやってもらうのがコツです。 いきなりこちらが触ると、症状が出なかったりして原因がつかめない事がある。 ですから、自分は後ろにいて、操作はお客さんにやってもらった。
スイッチ入れて、脱水のみに切り替えスタートボタンを押して・・・。 ここまで操作の間違いはない。
脱水が回り始める。・・・「アレ?直った」と言われるのかなと思うと、4〜5秒回ったところで槽が揺れて停止「ピッピッピ・・・」「ほら止まるでしょう」・・・
「え〜っ、このことですか〜」っと私
半年以上使用されてて、1回もこんなことなかったと・・・。そっちの方が不思議なくらいです。 フタを開けてみると、シーツや肌布団がてんこもり。

以前のニ槽式の脱水の仕組みはこうこうで、全自動はこんな仕組みで・・・大きな違いは槽を4本の棒で吊ってあるんです・・・。
「あら、そう!!」ケタケタケタ。
始めの修理依頼のときに、「すぐ止まる」でなく「3〜4回まわってガタンガタンと止まる」と言う説明だったら電話で「もう一回洗濯物を均等にしてまわしてください」で済んだのに・・・。
とかくお客さんは、何かあると「すぐ止まる」とか「すぐ切れる」「すぐこわれた」といわれます。こちらとしてもまともに受けないようにしないとえらい目に遭います。
何がどうなって、どういう風に変わったのか説明してほしいものです。
お客さんの「すぐ・・・・・」は、あまり信用できまへんな。
2002/11/25 (月) 
創業記念品
当店もこの秋で創業22周年となった。
先日、形だけの記念品としてマグネットバーをお得意様に配布する。
当店の名前と電話番号が記入されていてオリジナル商品だが22周年の記念品としては少々お粗末なものだ。
でもまあ、このマグネットバーだが、学校のお便りとか町内のお知らせ、大事な書類など冷蔵庫の扉にくっつけて置いたりするのに重宝する。
よく市販で売ってるものはマグネットが一つのものが多い。これだとA4のわら半紙など一点で支えてもうまく支えきれないことが
あるが、当店のバーはマグネットが二個付いていて、しかも横に長いのでがっちりと紙を支えられる。
お客さんはどう思われたか知らんが、うちのかみさんとご近所の方には珍しく評判よかった。
追加で希望の方、まだもらってない方ご一報くださればお届けします。まだたくさんあります。

さて、この記念品の配布後に訪問したお客さん。
「このまえあんたとこでもらったヤツどこにもくっつかんがね」とおっしゃる。 はて???

ここのおばあちゃんとおじいちゃんのご夫婦には本当にお世話になっている。
何年か前、いきなり飛び込みで「電気製品の調子はいかがですか?」と訪問、
ほとんど初対面にもかかわらず「エアコン調子悪いので、一番いいやつに付け替えて」といきなり注文いただいたお客さんです。
その後ずっと何でもお任せいただいている・・・感謝

「はあ?くっつかんて、なにが?」
「これよ、これ」

先日お配りしたマグネットバーだが、おばあちゃん、よくNHKの受信シールとか役所からの標識のシールなんかと同じように、ポストか玄関の目立つところに張っておくものに受け取ったみたいだ。
なんとありがたいことに”他の電気屋さんお断り”とまではいかなくても、うちのかかりつけは”アサミでんきです”と宣伝してくれてるみたいなもので光栄この上ない。

ポストはステンレスだし、玄関の扉はアルミ製・・・そりゃどこもくっつかん。
それで、「仕方ないのでここに挟んでるんよ」と扉のところに飾られた花の隙間に挟んでおられた。
お粗末な粗品だがこんなに大事にされるとは・・・ありがたい!ありがたい!
本当に御ひいきにしていただいてこれ以上ありません。
おばあちゃんありがとう。
2003/04/18 (金) 
”かくこと”いっぱいあるけんね
 ハードディスクが内蔵された最新のDVDビデオレコーダーを買っていただきました。
  ハードディスクはなんと120GB(ギガバイト)もあり、何も入れなくても最長160時間も録画できるオバケみたいなビデオです。
これだとテープをいちいち入れなくても良いし、どのテープを使おうか迷ったり、間違って上書きしたりする事もありません。巻き戻しなども不用で瞬時に見れますし、画像は元の画像と全く同等の鮮明な画質で見れます。
 
 さてこのお客さん、このDVDレコーダーを購入いただいた動機は、24時間ぶっ続けで放送される「山口百恵」の映画7本立てを録画したい、ただそのためと言う事でした。ですから、ちゃんと自分でも撮れるようになるまで使い方を教えてくれるなら買う。このような条件付でした。
 実はこのお客さん、メカに苦手で、今までのビデオもろくに使いこなされてなくて予約もまともに出来ないときてます。しかも、「わしゃ説明書は絶対読まんけん」と広島弁。
もし万が一でも山口百恵ちゃんの録画に失敗したら返品するぞ。と、きつ〜くクギをさされていました。

 放映当日に納品、使い方を2時間説明、そしてその夜の9:00からのタイマーをセットして・・・一旦店に帰るも気になり、9:00にお客さん宅へ。・・・おお〜、タイマー入った・・・。一安心して帰るも、また夜中にちゃんと回っているかどうか気になり確認の電話・・・。なんとか無事24時間撮り終え、返品は免れました。がその後がまた大変です。
 数日後様子を伺いに訪問しました。
「きれいに撮れてるがどこから何が入ってるのかさっぱりわからん」とのこと。何回かに分けて撮りましたが、やはり映画の1本ごとに区切り(チャプター)を入れていかなければどこに何が入ってるのかわかりません。
 ハードディスクの良いところは瞬時にして頭だしが出来るところですからこの作業は必ず必要になります。DVDにダビングするにもアナログテープと同じようには行かないのです。当方としましてもこれまで何台も売れてるわけでなく、使い方は読まなければ分かりませんし、読みながらやってもなかなか理解できないところがあります。

 こういった時はお客様も不信がられますので、ハッキリと「まだ慣れてないもので・・・」とお断りしておくことが大事です。「そりゃあそうだ、無理もない」とお客さん。
 読みながら”チャプター作成”をやっていると、後ろで「こりゃあ”潮騒”だ”伊豆の踊り子”だ”赤い絆だ、もうラストの場面だな」色々と解説
「よく知ってますね〜」
「あったりめぇよ、もう3回も観たけん」とご自慢。
そうするうちに間違って1話目を削除・・・、なんと一瞬のうちに1時間半の映画が消えてしまったのです。あれ〜??? どこもない。 血の気が引いて顔が青ざめているのが分かる。
 後ろで見ていたお客さん、「消してしもうたか、ええよ。この分は他にも撮ってあるけん」との事。ホッとする。パソコンならゴミ箱から拾い出せるがチャプターの"削除"はよほど気をつけないと大変な事になる。
  それから1本の映画ごとに区切る作業が延々と続く。だんだん疲れてきて説明しているのか自分が勉強しているのか分からんうちに3時間たってしまった。
「わるいなぁ、こりゃあ、別料金払わんといけんなぁ」
「イエイエ、こちらも勉強ですから・・・」と苦笑い。

「百恵ちゃん、ますます好きになった。これから追っかけやろうかなぁ」とオレよりちょっと年上のお客さん、あぶなっかしい発言も飛び出してご機嫌そのもの・・・引退後チョロチョロ出たりせずスパッと"主婦"なったところ、ここがたまらんみたいにおっしゃってました。
「山口百恵」かぁ、なつかしいなぁ。もう30年も前の事です。
そういえばオレも若いころ、こっそりと”かいた”もんだなぁ・・・えへへ
2003/05/24 (土) 
ご近所はむずかしい 
午前中の大仕事、チラシまき200枚を終えると毎日昼休みの給食弁当が待っている。
クリックで解説

もうこの給食弁当も取り始めて8年ぐらいになろうか。一食のみの注文だが、毎日欠かさず配達してくれている。すっかり体に染み込んでしまい離れられない。ボリューム満点の弁当でとても全部食べ切れないほどのおかず、しかも結構素材も良く飽きさせまいとする弁当屋さんの努力がうかがえるのである。

さて、その弁当を食べてると、何やら裏で聞き慣れた音がするではないか。
アスファルトの道路を金属で引っかくような音とゴトゴトと揺れる音・・・?これは紛れもなく冷蔵庫を動かす時の金属音とコンプレッサーがゴトゴトと揺れてる音だ。この音も電気屋にとって体に染み付いてる音なので気になり箸が止まった。

カアチャン「うらで洗濯物干してたら、どこかの運送屋がうらのおうちへ冷蔵庫の配達に来た。とてもその場に居てられなくて家の中へ入って来た」と入ってきた。
裏のお宅は狭い道路を隔てて目と鼻の先にある。なんと!新しい冷蔵庫を買われたみたいだ
そりゃあそうだ。裏の奥さんが出てきて顔を合わせたら何と挨拶するべか?まさか「いい冷蔵庫買われてよかったですねェ」なんて言えないし・・・。

裏のお家とは毎日のように顔をあわせている。当店が引っ越して来た時からお付き合いさせてもらっているし、お互いに仕事を紹介したり、してもらったり、色々と買ってもらったり、工事したり・・・。
たったこの前も、カセットテープのダビングや、外灯のの管球替えもやった。近所なのでこちらも何かと気を使い、安くしたり便宜をはからせてもらっているつもりでいた。

ところがどちらかで冷蔵庫・・・???
きっと、仕事上のお付き合いでもあるのか?それか、うちは”高い”ので特売品でも探してきたのか?
うちには冷蔵庫は置いてないと思ったのか?何かが原因で気を悪くされたのか?
ブラインドから覗くと

それとも、奥さんは人一倍気を使われるやさしい方なので、うちに頼んでよけいな気を使うのがイヤだったのだろうか・・・それならいっそのこと量販店でとなったのか?
ご近所での貸し借りは末代までひびく・・
色々とせんさくしても仕方ない。

キキーッゴトゴト、美味しいはずの弁当が急に味気なくなってしまった。
「気になる音だ。落ち着いてメシも食えん。」とオレ。
どうも気になってブラインドの陰からこっそりのぞくと、若いにニイチャンが2人で積み込んでる。トラックにはテレビやら洗濯機やら積んである。どこかの量販だ。せめてどこのメーカーのどんな品物か確認したかったが、箱はつぶされてて判別できず。
「のぞかんとき〜」「なんでこっちが気を使って洗濯物干すの中断せなあかんのやろ・・・」とカアチャン。

この思いどう晴らすべきか・・・?
この気持ちどこへも持っていけずここへ捨てにきました。
ああ〜ちょっとはすっきりしたかな・・・
 
2003/06/11 (水)
輝くおばあちゃん
今日のお客さんは、私が開業したての頃(まだ20代後半)からず〜っとお付き合いいただいているおばあちゃんです。ずいぶん長くかわいがって頂いてるが、おばあちゃんから見るといつまでたっても二十歳そこそこの兄ちゃんに見えるらしく、会うたびに「もういくつになったん? へ〜もうそんなになったん!お母さんはお元気?」と毎度定番の会話が挨拶代わりとなっています。
今回、22年前に一番始めに買っていただいたエアコンを買い換えていただきました。

ずいぶんと昔のことですが自分で工事したことなのでそのごろのことはなんとなく覚えてます。
エアコンも冷房専用ですがその当時は確か17〜8万してたはずです。配管はフレア方式で今と変わりないが、パイプは2分と3分の銅管と発泡スチロールの断熱材が別々になっていて、加工する際も、銅管を断熱に入れ込まないといけないので手間がいったものだ。その断熱材も今となってはボロボロになっていた。
20年前のエアコンと輝くおばあちゃん
撮ってもらいました。もう20代には見えない


おばあちゃん、もう90才を超えておられるのにすこぶるお元気です。不幸にも3年前のお正月、餅をのどに詰められてご主人を亡くされました。その当時は残されたおばあちゃんどうなるかと心配したものですが、女の人は立ち直るのも早い。
今では、毎日朝5:00に起きて、雨戸を開ける度に外に向かって「おはようございます」
部屋を移動する度に部屋に向かって「おはようございます」
そして仏壇の前に座って「おはようございます」と声を掛けられるそうだ。
買い物に行くときはやはり仏壇の前に座って「今日のおかずは○○○よ」と伝えて行かれる・・・。ことある毎に仏壇のご主人に報告されている。

おばあちゃん、自分の目の前に2台のテレビを並べて同時に見ておられる。もうずっと昔からこのパターンです。テレビが何よりもお楽しみ。しかも、ビデオも2台ありフル回転で録画されている。録画予約もお手のものだ。

さて、新しいエアコンのリモコンを見て
「何かボタンがいっぱいあるの〜」
「こりゃあ年寄りには分かりづらいのでもっと簡単にせにゃあいかん」・・・と言いながら、こちらの説明を聞く耳持たずで、自分でさっさと使いこなしておられた。

この年になっても「感謝の気持ちだけは絶対忘れない」
「悪いことがあっても良い方へと考えようとしている」
「昔は現在みたいに便利ではなかったけど、みんな心が暖かかった」そして「もっとのんびりして暮らしやすかった」一つ一つが身にしみる言葉でした。
どうかずっと元気で長生きして下さい・・・。
2003/12/28 (日)
帰ってきたトースター
 そんなにいつも買っていただくお客さんではないのですが先日たまたま買っていただいたオーブントースター2980円の売り上げ・・・取り寄せして配達してたらとても儲けなどあったもんじゃあありません。
それでもいつかは大きなものにつながるとニコニコ顔で毎度おおきに〜!

 それから数ヵ月後「もっと早く言えばよかったのだが、このトースター餅が焼けん!」と電話がかかってきた。
すぐさまピンと来たのだが、このごろのトースターには加熱防止用のサーモが付いている。食パンぐらいの時間ならよいが5分以上加熱すると勝手にヒーターが切れる仕組みになっている。しかも一旦切れると次に入るまで結構時間がかかるのだ。
 餅のほうもせっかく膨らみかけてまたしぼんでしまいいつまでたっても焼けないといった具合だ。

「そうですね、火事になってはいけないので安全装置が働いているのです・・・」と苦し紛れの説明するも
「それじゃあ何で5分以上のタイマーが付いてるのか?」
「本体には餅やグラタンの絵が描いてあるし8〜12分なんて書いてある」
「昔使ってたやつのほうがまだ良かった」
とそんなに言われては返す言葉もない。
 説明書はよく読まれましたか?とかそういった仕様になっておりますので文句はメーカーに言ってください。などといいたいところだがこれは絶対禁句だ。

 「そうですねぇメーカーにきつく言って返品します。お金もお返ししますので安心してください」といって結局はこちらが抱え込んでしまった。

 そういえばちょうどうちのトースターも結構古い。これも何かの縁だ・・・てなことでまた収まるところにうまく収まったのでした。
 実はうちもこの途中でプッツン消えるトースターには困ってるのよね。とくに○○を焼くときなんか・・・どうにかしてもらいたいね。
2004/01/14 (水)  
エアコン床下配管工事
エアコン配管の入れ替え作業 畳を上げて、床を切り、床下に入る。下は土でほこりっぽい。床と地面の間は約5〜60cmぐらい。はいつくばったらひざを立てる余裕もない。
目的地までの距離は約5〜6mだが、実際に覗いてみるとはるか10mぐらい先のように感じる。

地面を這いながら中ぐらいまで来ると、「ここで火事になったら・・・」「地震が起きたら・・・」「心臓発作になったら・・・」などなど頭をよぎる。
ここまではいつものことで、いつもならエ〜イと振り切って突進できるのだが、今回はどうも調子がおかしい・・・。それ以上に異様な不安感がどんどん増してくる。
それでも意を決してと先に進み、目的地までたどり着くが、体が動かない。
どうもいつもと違う。そうしてるうちに何か体が小刻みに震えてきて、
頭の中はパニック状態。体が硬直して冷や汗がふき出てきた。

ウ〜ムこりゃいかん!このままでは本当に体が動かなくなる!と思うと、とっさの思いで後ずさりをしていた。やっとの思いで明るいところまでたどり着き、出てからもしばらく放心状態・・・。

後で考えると、どうやって出たか覚えてないほど頭の中は真っ白な状態。
これまで何度となく床下にももぐっているし平気だったのが今回はこんなに恐ろしく感じたのはなぜだろう?
ちょっと風邪気味なのが原因か?それとも年齢とともに意識が変化してきたのか?

閉所恐怖症の映画はいくつか上げられるが、なんといっても「大脱走」のチャールズ・ブロンソンだ。それを見たときはトンネルの中で脱走できるかいなかなの瀬戸際なのに怖がってる場合か!?早く逃げろ〜と思ったが今回その気持ちは痛いほどよく分かった。
こんな恐怖を味わうなら死ぬほうがましだと思えるぐらいなのだ。

これでもう床下や天井にはもう入れなくなってしまったのか?
こんな恐怖につけるくすりはないものか?

 2004/01/28 (水)
締めくくりは大森さん
洗濯機が壊れたので持ってきてもらえますか?
と電話があったのが去年の年末も押し迫った30日午前10時ごろのことでした。
全自動で6K洗いぐらい、メーカーは特に指定しないができれば三菱がいいとのこと・・・(息子さんが三菱の換気扇専門にされてる)

さあ困った。どこの卸屋さんも営業は29日まで、30日は配達などやってないし当然品物など出してもらえない。
うちももうそろそろ店じまいに取り掛かろうとしている矢先だ。

ちょっとムリですと言いかけて奥さんの「正月は息子や孫たちが帰ってくるし洗濯物も多くて・・・」の言葉に「わかりました!何とかします」と返答していた。
思い立ったのが時々小物の仕入れではお世話になっている家電量販店です。

以前では小さくとも独立した電気屋が商売敵の大型店で物を仕入れて売るなんて同義的にも許されないと思っていたし、お客さんにも申し訳ない気がしていた。ところが数年前から自分の意識も変わってきた。
どこで仕入れようとお客さんの要望に応えられればそれでいいのだと。
お客さんが自分で買いに行くところを変わりに買ってきてセッティングする。当然あとのあとのアフターも責任持つその報酬をいただくわけだから理にかなってると思い始めたのだ。

さっそく何店かの量販店に「いまから買いに行きますので品物出してください」と電話するも「出せません」「在庫ありません」・・・4軒めでやっと見つかった。

お客さんご希望の三菱です。
「こんなに押し詰まってムリいってすみません」
大いに喜んでいただけました。
さすがに○○電機で買ってきましたとは言えませんでした。
大して儲からなかったけど、今年の締めくくりにいい仕事ができて本当に良かったです。
年頭に大森さん宅の電気工事で始まり年末にはやはり大森さんの洗濯機で締めくくられた一年でした。

帰りは穏やかな夕焼け空を正面にながめながら沈み行く太陽に今年も無事な一年をありがとうとつぶやいていました・・・
2004/02/12 (木) 
トラッキングはこわい
 今日、東京の電気屋街秋葉原の「ヤマギワソフト館」で漏電による火災が報じられていました。
白昼1階から4階まで焼けたということでかなりすざましい火事だったとうかがえる。
この記事を読んで忘れられないことがあり書いておこうと思います。
記事では漏電ということであるが実際はコンセントのトラッキンッグ現象によるものではないかと考えられるからです。

 あれは1年半まえの、かなり寒い晩のことでした。
「おたくでつけたクーラーのコンセントが焼けたのですぐ見に来て」と電話がありました。もう10年も前につけたエアコンですが、どうせ接触不良でコンセントが焦げたぐらいだろう。
しかし確か和室の分は冷房専用だったはずだが・・・?と思いつつ駆けつけると、寒いのに奥さん玄関の外まで出て待ってるではありませんか・・・
「怖くて家の中に入れないの・・」

のぞいて見ると「ぎょえぇぇぇっ!!??」コンセントは見る影もなく焼けてしまって天井まで火の手が上がったのかすすがこびりついてる。
「急にバチバチっと大きな音がしたのよ」
おそらく瞬時に発火したと思えるので大きな音もしたと思う。普通コンセントのプレートやベークライトなんて燃やそうと思ってもなかなか燃えるものではないのに、これだけ燃えていることは相当の高温になったと考えられる。
2002年11月21日 I邸撮影
 このような状況を自分だけで止めてしまうのもなんだと思い、とりあえずブレーカだけ切っといて一応メーカーに修理依頼をかける事にした。
心配する奥さんを「絶対大丈夫です」となだめて一旦帰り修理依頼のFAXを流したのはもう午後9時をまわってました。

あくる日デジカメを持って訪問すると、なんとその日の10時ぐらいに直しに来たそうだ。見るとエアコンの電源コードはすっかり元通りになっていました。代金は無料で、あとコンセントは電気屋さんに直してもらってくださいと言って帰ったそうな。
FAXでの依頼で「あやうく火事になりかけた。至急!」と書いたのでメーカーさんもあわてたとおもえる。

対応が早かったのはいいが、その後当店にもお客さんにも何の音沙汰もない。
なんか闇から闇に葬られたのでないか?それならコンセント以上に焼けたコード側も写真に撮っておけば良かった。

このごろはトラッキング防止用のコンセントも増えてきてます。
今回のお客さん宅は、確かに何年間もコンセントは抜いたことありません。一時NHKで話題になったが、そんなに埃もありませんし湿気などもありません。トラッキングのページはたくさんあります。
http://www.nipponblower.com/ttcp/
どのホームページを見ても「ほこりと湿気が原因」としか書かれていません。
しかし、はっきりとは言い切れませんが、コード側の差込の材質の不具合(ばらつきによる)も考えられるのではないでしょうか
トラッキングは予想も付かないところで発生しますので怖いです。

そのコンセントですか? もちろんうちの記念品置き場に飾ってありますよ。
いつでも出番を待っております。
それにしてもメーカーの「某○菱」はその後どんな処理したのだろう?内輪だけで止められたのであろうか?
偶然ではあるがまた○菱だ・・・なんとなくまた謎解きの虫がうずき始めてきた・・・
 2004/04/12 (月)  
忍耐の日
初めてのお客さんから電話がかかってきた。先日ローラー巡回した地区のお客さんだ。
「来ていただいた時は忙しかったので頼まなかったけど、実はテレビの調子が悪くて見てもらいたいが、お宅は出張費とか
取るんですか?」
修理依頼の電話で一番多い質問は、「だいたいいくらかかるのですか?」というのが一般的だけど、今回いきなり「出張費は?」
ときた
。こういったお客さんの場合、経験から言って「勝手な?お客さんが多い」半ばイヤな気もしたが「無料ですよ、とりあえず
見に行きます」と返事。

sonyの5年ぐらいなフラットのワイドテレビで「電源すぐ切れる」とのこと。量販店で買ったのだがその店はつぶれてしまって
もうないのでこちらにまわってきた。
きっと量販で一番高いのをすすめられたのだと思うが、5年で故障はちと早い。で早急になおしてほしいとの事。
「それならメーカーさんに依頼するほうが早いですね、うちから修理の手配しときます、今回当店への料金は不要です」
と言ってその場は帰ることにした。

あくる日修理の予定だったので、夕方もうなおったものと様子を伺いに行くと、ちょうど奥さん玄関から出たところ。
 O 「実はブラウン管が悪いらしく、5万円ぐらいかかると言われ、それなら新しいのが買えるので、これから買いに
     行くとこなんよ。」
 A 「えぇ〜? ちょっと待ってよ奥さん。うちも電気屋なんよ。うちでもでも売ってるんよ」
 O 「あらそうなん?でも現物を見ないと・・・それと値段も・・・」
 A  「現物見て、メーカーと機種を決めて、値段も見てきてくれたら、同じ値段にしますよ」
 O  「それでも、お店のポイントためてるから・・・」
 A  「ポイント分も値引きしますよ」
 O 「今日修理にきたソニーの方が、上○電機が一番安いとおっしゃってたのでそこで買おうかと」
 A   「・・・」(ソニーまでも敵か? それともソニーと上○電機はグルか?・・・)
 A 「まあいいから、機種と値段見てきて、電話ちょうだい」と言って引き上げる。

当方としてはこれ以上ない最大級の譲歩だ。コレでもだめなら縁がなかったとあきらめもつく。
もし、訪問が遅れ、奥さんが出かけた後になり、知らん間によそで買われていたらもっと腹が煮えたぎっていただろうが・・・

次の日、思ったとおり電話はない。
どんな商品を買われたのかは分からないが、このお客さん、きっと損されている。
まず、sonyの5年でつぶれたテレビ・・・。個人のお店で買われていたら、無料とは言わないまでも、何とか安く修理され、
まだ買い替えしなくてよかったろう。
きっと奥さん、店員にすすめられるまま結構高いテレビを購入されたと思う(そういったタイプに見受けられる)
当店ならご本人の意向を十分聞いたうえで、不要な機能は除いた実用的なものをおすすめする。大抵安くあがる。
(量販店は出来る限り高い品物をおすすめする)

そして、損をされたと思う理由その1は、そのお家から一番近いところにある地域の”親切な電気屋さん”は、今後
何を頼まれても絶対にお断りするであろう・・・ということです クッソー

2004/07/18 (日)  
カサブランカ
最近お客さんところでも見たこともないような花が植えてあることがよくあります。
テレビやエアコンの話ばかりでも敬遠されるので、珍しい花などがあればそれをネタに話を切り出すこともたびたびあります。

先日、玄関先に大輪の花を咲かせたゆりの花を見つけむせ返るような強烈な香りに「いや〜すごいいい香りですね〜」
と言うと、奥さん「切ってあげるから持って帰り」と二本鉢植えしてある内の一本をばっさり切っていただいた。

なんとそのユリは「カサブランカ」という数段上なのユリだ。
早速頂いて帰って花瓶に生ける。大輪の花が見事である。しかもまだつぼみも3個ぐらいありこれからがたのしみだ。

2〜3日後そのお客さんところにお礼に伺うと「後で思ったが、飾りたいところが出てきたので、あげんとけばよかった」

別にいやみたらしくではなく半分冗談に言われたのですが、半分本音も含まれており返答に困ってしまい、それじゃあ返しましょうとも言えず
「もらって帰って高級な花にうちでは家内も大喜び、毎日楽しんでます」
と感謝を表すのがせいいいっぱいでした。

お客さんからの頂き物はいつも素直に頂いてますがついなれっこになりがちです。
やはり感謝の気持ち、なんらかでお返しの気持ちはいつも忘れないようにしないといけません。

カサブランカというとやはりボガードでしょうか
2004/12/19 (日)  
宅急便
当店では長年宅急便の取次ぎをしているがいつもきている集配のにいちゃんから手伝いを頼まれこの
12月だけ配達の仕事をすることになった。
なんでもお歳暮のシーズンはパニックになるほどで人手が足りないらしい。
ぜひともと頭を下げられそれならと引き受けたのだ。

といっても電気屋の店主たるもいくらヒマだといっても本業を差し置いて配達に
回るほどヒマでもなく元気なうちのカアチャンのこずかい稼ぎなのだ。
毎日数十個なのだが結構時間もかかる。留守宅も多くどうしても残ってしまい
夜に配達となるのだが、そうなると仕事がなくブラブラしてるこちらのほうへ
回ってくる。まあがんばってるカアチャンを見ると手伝ってやらねばとも思うのだが。

いざ配達に回るとこれが結構新鮮で楽しい。
配達地区はこれまでチラシを撒いたり、新規開拓で何度も飛び込み訪問
してる所だ。でもほとんどはインターホンで断られるばかりで顔を出しても
らったことがないおうちばかり、ところが、
「宅急便です。荷物の配達にお伺いしました」と言うとなんと
「ハーイ!」といい返事、いつもの「用事ありません。間に合ってます!」
とえらい違うではないか・・・
しかも「ごくろうさんでした」とまで声をかけられこちらもすごくいいことをした気分。

営業で100件まわっても1件面談できるかどうかなのに10件まわれば10件
面談できる。せっかく顔を突き合わせられたいいチャンスなので顔と店を覚えて
いただくために特別の名刺を作りそっと荷物の間にはさんでわたすことにした。
これで今年もなんとか年越しできるかなあ

2005/01/22 (土)
得されてるお客さん
10年ぐらい前の三菱のエアコンで、本体のスイッチでは動くがリモコンで動作せずの修理依頼。
大体この手のヤツはいったん電池抜いてボタンを連打、リモコンをリセットしてやれば一応は治るケースが多いです。

ところが今回リモコンの液晶部分が表示されてない。これはどうも前述のケースとはちょっと違う
「お客さんこれはリモコン買い換えないとだめですね。6〜7000円ぐらいしますよ」
「そんなにするの?でも全部買うより安いのでしかたないわねぇ」と奥さん
話してると急にいままで点いていた照明が急にフワフワっと勝手に暗くなった。
「これもおっかしいのよ。なおる?」

見ると聞いたこともないメーカーの名前・・・しかもぶら下げのタイプ
 「こりゃ買い換えたほうが安いですね。自分でもつけられるし、このごろホームセンターで4〜5000円でも
売ってる・・・」
なんと、自分のほうからそう言ってしまったのです。
ここのご主人はなんでも自分でされる方なので、ついそう言ってしまったのだと思います。
以前でしたら照明器具は電気屋としての柱だったと思うのですが、自分の意識も変わったものです。

さて、エアコンのリモコンきかずですがこのインバーター照明の不具合にも原因の場合もありうる
のでちょっと心配でした。でも受光部(本体の受ける部分)の故障はないだろうという有力な情報を得ましたの
でとりあえずリモコンを取り寄せて持っていく事にしました。

2〜3日して持っていくともう別の照明器具がぶら下がってましたがそのことには何も触れず
「このリモコン当初の値段の半分ぐらいですみましたよ。安くなおってよかったですね」
「そう、助かったわ」
このお客さん照明器具もリモコンも安く買われて得したのです。

そうは言っておられましたが、こちらが思ってるほど感謝もしてもらえなくて、本音は「よく故障するなぁ」
ぐらいにしか思ってもらえないのが現状です。
”もっと感謝して〜”と言いたいのがこちらの本音です
2005/06/04 (土)
ケイタイで値引交渉・・・実況中継
何でもおまかせの上得意のお客さん、夜11時に電話がかかってきた。
「テレビが故障して映らん。明日でいいから見に来てくれ」
こんなに遅くお客さんから電話がかかるのは、1年に1回あるかないかである。
しかも、このお客さんにはケイタイ番号を教えてあるので、ケイタイにかかってきたわけだ。
ケイタイの番号を教えているのもこのお客さんぐらいなもので、それだけ信頼もしているのだが・・・。

さて翌日、テレビは15年ぐらいの29インチ、貸出のテレビと引き換えに預かって帰る。
もともと故障する前もブラウン管は真っ暗だったし、常々
「次買い換えるのはテレビやなあ」と話してたので、お客さんもその気なので
この際とばかり32インチの液晶テレビをお勧めする。

「そうか・・・、あんたの言う事なら仕方ないなぁ。で、どれがいいん?」
ちょうど新聞の折り込みチラシが目に入ったので、
「いいのが載ってるよ。値段も同じでいいよ。」と広げてみると、
某量販店「一番売れ筋の液晶テレビ328,000円」とトップに載っている。
「うん、これでいいんじゃないの?もう少しまけとくよ」ほぼ決まり気味。
こちらとしてはあれこれ迷うより、大型店のチラシを見てもらえば納得してもらえるし
手間もはぶける。(内心、チラシの値段はまともだったので勧めたのだが)

「俺はこんなチラシあまり見た事ないし、量販店にも行った事がない。
でも高いテレビだし一回どんなものか見てみたいなぁ」
「そうやね、日曜日でも一度見てきたら・・・」と軽く言ってしまったのが大きな間違いだった。

数日後、野外で照明器具の取付工事中にケイタイが鳴った。
「おい、今ヤマダに来てるが、現金だと234000円にするらしい。お宅だとなんぼになる?」
えー?! 先日のチラシより94000円も安い。しかも原価割ってる!
工事中にもかかわらず中断、パニック気味。あれこれやり取り後、
「254000円にするので買って・・・」ともう瀕死状態。
「そうか、それでも2万円たかいなぁ。これまでお宅のいいなりで買ってきたが、だいぶ損し
てきたことがわかった
。その分どうしてくれんねん・・・」

こりゃあ、えらい事になってきた。今回のテレビの差額分より過去の購入分まで何とかしろ
と言われ出した。
これまでの”おまかせ”ムードは一変して、すごい雰囲気になってきた。
とりあえず「2万円違うけど、何とかそれでお願いしますヨ」半泣き・・・。
「そんな情けない声出すなよぉ、でももうちょっとこっちで値切って安くなるようだと、
こっちで決めて帰る」と・・・そこまできてこちらとしてはギブアップ。

その夜、預かっていた29インチのテレビと引き換えに貸し出していたテレビを引き取りに行く。
お互いえらい気まずい雰囲気。
「今回はわるいなぁ。また今度頼むで・・・」
どうやら過去の購入分の件は値切る口実だったみたいで、内心ホッとする。

「せっかく声をかけていただいたのに、期待に添えることができなくてすみませんでした。」
腹の中では悔しさでいっぱいでしたが、そう切り出すことで何とかつながりを保てたかもしれません。
何すんねん、ヤ○ダデンキ!!
ヤ○ダデンキはテレビが壊れたときすぐ代わりのテレビを持ってくるか?
ヤ○ダデンキはトイレの水が漏れたり、ガスコンロが点火しないといっても来てくれん
ヤ○ダデンキは道で倒れても助けてくれん

また一人、長年のお得意様がいずこへか・・・
2005/08/22 (月)
「走れメロス」 理想のお客さん
冷蔵庫の冷え具合がどうも弱いと依頼があった。
去年の夏クーラーが冷えない修理コールで、ガス抜けなので一度ガスを充填して
様子を見てもらうことにして、また抜けるようだと考えるということ。
これまで何度となく様子伺いに顔出しはしていたのだが、その後調子よくいってるみたい。

今回は冷蔵庫という事でお伺いすると、症状から見てどうもコンプレッサーの
不良みたいだ。
いきなり「こりゃあダメです」なんてのはかえって不信感をあおるだけ。
「これはひょっとすると修理に少々高くかかるかも知れません」
「まだ10年そこそこでもったいないですが・・・」
などと慎重に説明する。すると意外にも奥さん
「ダメなら買い替えようかしら。もう少し大きい方が・・・」「あちこち見に行く
暇もないのでカタログでもあれば見せて」などととんとん拍子。

しかしここでもはやる気を押さえて慎重に「メーカーはどちらが良いですか?
大きさは?ご予算は?・・・」などお客さんの心配事や気になりそうな事
をこちらからどんどん切り出して行く。
「そうね、これぐらいでいいけど、やはり主人に一度相談しないと・・・。返事は
明日まで待ってくれる?」

きたきた!その場で成約できるなんてめったとありません。たいていここでうっちゃ
りをくらうんです。

「はい分かりました。明日また返事お待ちしてます」
次の日、やはり返事はない。おそらくご主人が帰って来て「そんな訳の分からん電気屋
など高いばっかりや。俺がどこかで見て来てやる」そんな会話があったに違いありません。
「お宅高いからほかで買ってきた。すみませんね〜」と声が聞こえてきそう

夕方、意を決して訪問してみる。と、奥さん
「主人からは、お前の好きに決めたらいいと言われたけど、あれからどれにするか
迷って決められないのよ」
「そうでしたか!でっきり気が変わったものと思ってました。それではこのタイプ
したらどうでしょう・・・」
「電気屋さんがそうおっしゃるならそちらにするわ・・・」

お客さんの顔が鬼に見えたり神様に見えたり大変です。
でもこれだけはハッキリ言えます。
こちらから信じない限り決して相手も心を開いてくれません。
何があっても信じること・・・小学校で習った”走れメロス”を思い起こしました。
2005/12/04 (日) 
後ろからあれこれ言われると・・・
今回は、数年前からさわっていてちょっとは知っていそうな年配のご主人からの依頼です。
新しくノートパソコンを買ったのでインターネットに無線LANで接続したいとのこと、
すでに、ルータやカードも購入済みで設定だけ頼まれたので。
「設定だけですと8000円いただきますが・・・」と言うと
「メーカーの出張サポート6000円と書いてある」と言うので
「それではそちらの方に・・・」と断ろうとしたが、これまで何度か訪問して
育ててきたのにここで断っては無駄になる。後々いい話が出るかもしれんし。。。

さてお客さん「NECやバッファローにTelして聞いた。簡単にできると言ってたからやってくれ」
見ると、マニュアルには赤線がいっぱい引いて、何度も読み返した後がうかがえる。
しかもルータの管理画面に入るところに自分のID、パスワードが入れてある。
ここまで自分でやってみてお手上げになったみたいだ。こんなことで設定できるはずがない。

ところが、こちらが説明書など見ないでさっさとやってるのを後ろでじ〜と見ながら、
急に
「そんなことどこも書いてない」
こちらが「これは無線のアダプターが他社のものなのでマニュアル通りにはできない」
といくら説明しても、
「いや、ここにこう書いてある・・・」などと口を挟んでくる。
ブッチ切れそうになるのを押さえようとするが、何かとしゃべりかけてくるので
そちらに気が散って冷静に設定ができない
有線では繋がるが、どうしても無線で繋がらないのだ。
どうやらウィルスソフトがブロックしてる様子、一旦削除してみましょうか。そう説明しても、
「ウイルスソフトのことなんて説明書に何も書いてない。そんな難しいことはないはずだ」の一点張り。

有線ではつながったインターネットの画面を見てビッグローブのサイトが表示されると、
「何でビッグローブが出るのだ?うちはプロバイダDIONだが、このパソコンにはDIONは
入ってないんか?」と言うとんだ発言が飛び出した。
つとめて冷静に説明してきたがすでに2時間近くたってしまった。
「これ以上は別途費用がかかりますので、ここまでにさせてもらいます」

これ以上深入りすると頭に血は上るわ時間はかかるわでロクな事ない。
というより、今後このお客さんとお付き合いしていっても振り回されるだけだ
判断したので、早々に退却する事にした。当然ただ働きであった。
2006/03/09 (木)
同業者は仲良くしたい
今日、知り合いの造園屋さんから、「うちのお得意さんのアンテナがぼろぼろなので立て
替えてやってくれ」と電話がありました。
聞くところによると何でも「阪南ネオポリス」とのこと・・・
当方そんなところ行ったことないし、うわさではあっちの方面では受信状態があまりよくないと
聞いていた。よほど断ろうかと思ったがせっかくの紹介なのでと行くことに、
場所はわかりづらいので車の後をついて来いとのことであとをついていくことになった。
住宅街に入っていくとえらい坂道をどんどん上っていくではないか。
結局これ以上ないぐらい高いところまでたどり着く。

周りのアンテナをみるとやはり心配した通りUHFが1本多いし微妙に方向が違う。
でももうここまできたらやるしかないと持って行った標準のアンテナを取り付ける。
案の定やはり19chが映り悪い。
「19chはもう1本いりますよ。別料金かかりますけど・・・」
(いま持ってないしどうしよう・・)
「まあ、19chは見ないからいいですよ」とおばあちゃん
ほっとする。

どうやらおばあちゃんの一人住まいみたいだ。テレビも14型が2台だけ。
日立製でまだ新しい。日立製が2台もあるなんてめったとないし、見ると電話機も20年前
のなつかしい日立PET−H1?(当事3万円もしたが飛ぶように売れたものだ)
「おばあちゃん、ひょっとしていつもはどこかごひいきの電気屋さんに頼んでない?」
「そうそう、以前は近くにあった日立の電気屋さんだけど今は道明寺駅前の・・・」
「え〜?! それはメガネかけた、小柄で僕に良く似た男前の・・??」

てなわけで、驚くことに普段からお世話になってる近くの同業の電気屋さんでした。
その電気屋さんからも30分はかかるしかなり離れている、こんなところまでお得意さんが?

困ったことになった。今度アンテナが新しく変わってるの見られたらその電気屋さんは
どんなに思われるか?
オレだったらきっと「地デジ対応のアンテナに変わってる?きっと薄型の液晶テレビかなにか
量販店で買ったに違いない」と暗〜い気分になってしまうだろう。

ここは早速お世話になってる電気屋さんに知らせておかないと・・・
で「カクカクしかじかで後から知ったわけで・・・」と報告メールを出した。返事はすぐ来なかったが、
地域店同士、商売敵の側面はさておいて心から仲良くしていきたいと願っていますよ!
○○デンキさん今後ともよろしくね!
2007/05/27 (日) 
帰ってきたお客さん
以前はエアコンやその当時は30万もする最高級のハイビジョンテレビなどポンと買ってくれていたお客さん。
 ここ数年は、訪問してもそっけない返事で何もない。去年にはリフォームもされ新しいエアコンや冷蔵庫、
IHヒーターなども入った様子が伺える。おそらく、例の30万もするテレビ以降ご無沙汰なので
「高いもの買わされた、もうあそこには頼まんとこ」てな具合になってしまったのか?

 それでもこりずに、定期的に顔出したりお知らせを入れたりしていたのだが、先日の朝、突然ご主人から
電話がかかってきた。
「2階からテレビを移動したら家中のテレビが全く映らなくなった。見たいのがあるので悪いが早め
に来てくれるか?」
言葉の口調からして「おっ 何かいいことありそうな予感」長年やってるとこんなときは動物的直感
というかにおうものがあるのだ。
「すぐ行きますよ」

 どうやら、テレビと共に、ブースターの電源部も一緒に外してしまったみたいだ。
「あれこれやったが、もう2日も映らん。あんたに任すので必用なものはつけてくれ。アンテナもみな
変えてもかまわん。」「BSもみな映るようにして」
こう言われるのが一番うれしいし反面身が引き締まる思いだ。

家の中に入れてもらうのは数年ぶりだ。やはり、あれから液晶テレビ2台やデジタルのDVDなども
新しく購入されてる。やはり量販店か?新しいテレビにはBSの配線はされてなく、おそらく置いて
帰っただけだろう。
ちょっぴりショックなので、それとなく久々にうちに依頼された経緯を探ってみると 実は、Y電機で
買った小物のことで問い合わせに行ったが店員の態度がわるかった。
さらに、きのうテレビ移動後映らなくなった。ブースターのランプが接続すると消えてしまうので
これを持っていって同じものをくれと言って出されたものを買ってきてやったがやはりダメだった。
(当然これでは映らない)これでどうやらプッツン切れたらしい。
再度店に行って、カウンター越しに
「どうなってるんや!お前ところは客が困ってるのに売りっぱなしか!店長をだせ!」
大声で怒鳴りあげたらしい。(ごもっとも!!)

 見るとブースターは“卓上型”のものがつながれていてこれでは映るはずがないと思いつつ
壊れたはずのブースター電源部を元のところにつなぎかえると、あらまパッと映った。
「おお〜さすがはプロや5分もたたんうちに直った」
「やっぱり、すぐ面倒見てくれるところでないとアカン」
「これから快適に過ごしたいのでガマンせんと何でも買う。いまほしいのは・・・」
とりあえず、トースター、CDラジカセ、電子辞書3点ものご注文をいただいた。

 その気持ちだけでも十分うれしかったが、次の日BSの配線工事していると
「大変なことになった、うちの奥さんが大型のテレビがほしいと言ってる」
なんと、録画付き42型のプラズマテレビのご注文をポンといただいたのだ。
「ついでに、ジャー炊飯器も持ってきて」
まるで盆と正月がいっぺんに来た忙しさだ。
ご主人の言われることには「いま新しいもの買ってもオレの寿命より長くもつ。生きてるうちに
ガマンせずいい目をしないと損だ」これ以上ありがたい言葉はないぐらい。

 このたび久々にうちに電話いただいたきっかけは、その日にうちが入れたDMを見てからのことだったらしい。
なんでもあきらめたらおしまいだ。辛抱強くお客さんを信じてればきっといいことにめぐり合える。
その日はお客さんが神様に見えました。
これから、こちらも怒鳴られないようにしないとね
2007/09/30 (日)
電気屋受難
9月ももう半ば過ぎというのに連日の猛暑で少々ばて気味。1日の仕事を終えて店に帰ったと
たんえらい剣幕でおばあちゃんが怒鳴り込んできた。
「なめとんのか!1分もたたん仕事して1500円とはえげつないやないか!
しかも、文句言うと、金はいらんと捨てぜりふたたいて帰りおって・・・
何様だとおもっとるんや!」「こっちは金が惜しくていうとるんやない、その態度が
気にくわんのや。これまで近くや思って買ってやってたが馬鹿にするのもいいか
げんにせえ!」一気にまくしたてるではないか
オオ〜顔を見るとまるでオニのような形相。こちらとしても言い返す言葉もなく
ただ聞いてるだけ。それこそしょんべんちびりそうなほど怖かった・・・

店に帰る前のインターホンの修理である。時々鳴らなくなるということで修理に行った。
まずは外の玄関子機をはずしてみてチェック、これはどうもない。次に地中に埋まって
る配線を計ってみるがこれも大丈夫みたい。
ベルは鳴らないのでここで初めておうちに電話をかけて入れてもらい親機を調べることにする。
やはり親機単独でも鳴らない。
「こりゃあ全部取り替えないとだめかもしれませんね」
と言うと「でも時々鳴るんよ」と言われるので、もう一度よく見るとコンセントの
根元のところに微妙なふくらみがある。このわずかなふくらみを見逃さないの
はやはり長年の経験だ。

「はは〜これはコンセントの根元で線が切れ掛かってるのが原因ですよ」
そうとわかれば修理は簡単だ、コンセントを切り取って新しいものに取り替える。
これでばっちりだ。
「なんぼ払おう」
「じゃあ1,500円お願いします」
「え〜!切ってつなぐだけで1,500円もとるんか。えげつないの〜」
まるで、悪どい商売をしてるような言い草にこちらも瞬時にぶちきれた。
「そうですか、そこまで言われるなら金はいらん」と言い残してさっさと引き
上げてきたのだ。

それから数分後の話である。
ひとしきり大声で怒鳴られて、帰られたが1,500円は持ってこられた。
受け取りたくなかったが受け取らないともっと長引きそうだったので
素直に受け取った。何年も電気屋やっててこんなに怒鳴られたのは初めてのことだ。

それにしても1,500円程度のお金でとんだ騒ぎになったものだ。
根はいいおばあちゃんなのだが、こちらにもプライドはある。
元来修理とは故障の原因を探し当てるまでの知識と経験が90%で
原因が分かればあとは簡単なものだ。
「なめとったらしょうちせんど〜」といわれたが今回当方の修理技術や
手間賃が1,500円にも満たないといわれるほうがよっぽど
なめてると思うのだが・・・
いずれにしてもいい勉強になった、いつかはどんな場合でもぐっとガマン
して「至らぬことで申し訳ありませんでした」と言えるようになるものかなぁ
2008/4/29
長生きする電気屋
 夕方6時ごろ、いつものお得意さんのご主人
「今、上新電機で見てきたが、掃除機を買おうと思う。お宅でもおんなじ値段にしてくれるんか?」
キタキタ・・・今まで何度となく買っていただいてるにもかかわらずいつも決まったアプローチだ。
このせりふにはチョットドキッとさせられる。お客さんはそこが狙い目なのかもしれないが・・
「もちろんいいですよ!で、どんなやつですか?」
「シャープの最新式サイクロンとか言うやつで、向こうでは6万円ぐらいと言っていた」
「え〜!?6万円もする掃除機ですか?」こちらがビックリしてしまった。
「もう一度ゆっくり検討されてはいかがですか?電話ではなんなんですぐ説明にお伺いします」

 こちらでは、今お客さんがどんな掃除機を使っておられるか知っている。
あれは確か、オレが電気店に勤め始めてごろに扱ってたやつで、縦型のポット式、当時25000円
ぐらいしてたか・・・ゴミパック式が発売される直前の機種で、波型のフィルターをごしごしやって
埃だらけになるやつだ。もう、30年にもなる。
以前奥さんに、「この掃除機廃棄のときは言ってや。記念に大事にしますので」と冗談半分にいってたのだ。
なんで、こんなに長持ちしてるかと言うと、奥さんの掃除の基本はやはり、ほうきとはたき雑巾がけらしい。
「掃除機はめったと使わんのよ」とも言っておられた。こんなことは量販店にはわからん。

 さて、ご主人、上新では、「この掃除機はゴミパックが不要、排気が清潔でいつまでも吸い込みが
落ちない優れもの」
と言っていた。さらに「ゴミパックではいつかなくなったときに困りますよ」とも・・・
そうですか「もうこの機種に決めておられるなら同じ値段でお持ちしますよ。でも、6万円の掃除機も
2万円台の掃除機も吸い込む力はそう変わりないし3倍近くの働きをするわけでもありません。
複雑な品物はトラブルも多いし、こういった電気製品は基本に忠実シンプルなものが一番です」
と言うと、奥さんが横から「そうそう、安いのでいいよ、とうちゃん」
25,800円の中堅クラスのものに決まった。

 メーカーや販売会社の人から見れば「せっかく高級機種を買うと言っておられるのに何たる事を・・」
とお叱りを受けるかも知れないが、このお客さんに対して最善のものをお勧めしたと思っている。
このごろはよくなってきたのかもしれないが、サイクロンの出始めのごろにこれはイイと盛んに
進めてずいぶんお客さんにご迷惑掛けた。2〜3年で使い物にならなくなったので、どうしても
このトラウマから逃れられないのだ。

 そしたら、「25,800円のものは上新では22800円で売ってるかもしれない。得したことには
ならない」とおっしゃるかもしれないが、お客さんも6万円の出費が25,800円で納まったわけだ。
同じもの値段だけで比較されると負けるに決まってる。そうではなくて、買おうとされるお客さんの
目的、心情、家族、部屋の状態、果ては性格ライフスタイルまで汲み取ってお勧めする地域店
だからこそ値段を超えたサービスが提供できるのだ。

べつに、いいカッコは言わないがこのたび痛切に感じた。

ちなみにこのお客さんは「大森さん」でした。大森さんありがとう。

このたび一時停止されていた当サイトを再開するにあたって、この「長生きする電気屋」をごあいさつ代わりに
させていただきます。
「やはりここもやめてしまったか?」と見放された方、また時々覗いてや
2008/7/10(木)
修理屋さん?
ここ2〜3日急に暑い日が続いてる。こんなとき決まって「クーラーが冷えないので・・・」とコールがあるものだ
先日、定休日の朝から
「ちょっとお尋ねしますが・・」とご主人
新規のお客さんだとやはり、どこのメーカーでも修理やってるのか?出張料は?、修理代は?
いろいろと心配なのは仕方がない。
「見るだけでしたらただなので見に行きます」
名前、住所を聞くといつも巡回している地区でインターホン越しだが愛想はよさそうな奥さんがいるお宅だ。

さて、スイッチを入れると正常に動き出した。外に回ってみるとコンプレッサーの音がしてるし
ガスもちゃんと入ってる様子だがファンが回ってないのである。
お客さんが自分でどうにかしようと思った様子で、すでに室外機のフタが外されていた。
ご主人
「外の機械が動かないのでもうだめか?高くかかるなら買い換える」
おっ!響きのいい言葉ここからは値段の交渉だな・・・喜んだのも一瞬であった。

この時点ではこちらも修理を勧めるかどうか迷っていた。
ひょっとしてファンをコツンとやっただけで直る可能性もありそれだと1銭にもならない。
それとも基盤の半田付け、ファンモーター不良?
いづれにしてもコンプレッサーは正常に動いてるし修理は簡単だ。いつものお得意さんだったら
「こりゃあ直せばまだまだ使えるしもったいないですよ」と言っていたところだ。

ところがここで意外な言葉が飛び出した
「うちは修理などあまり頼んだことない。今回お宅がこの辺をよく回ってるので
修理代がいくらか知りたくてためしに1回頼んでみた」
「いつも買うのは量販店だが、今回は知り合いがあるのでそちらで買おうと思う」

どうやら当方は電気の修理屋さんにしか見られてないらしい。
本当は故障の状態やら、うちでも販売してるとか説明したかったが、そんな言葉を聞いた時点で
もうあれこれ説明する気力も失ってしまった。

とにかくこの場から早く逃げ出したい一心
「そうですか・・・うちは修理屋ではありませんので・・・修理は購入したお店でどうぞ」
と早々に引き上げてきた。
お客さんは表面上では「すみませんでした」と言葉を発していたが、心の底では
「なんや、あの電気屋」と思ってたに違いない。
こちらが「なんやあの客」と思ったと同じように・・・

1)こんなもんすぐに直りますよ。今回は特別安く直しときます。と後々に期待するか。
2)そんなこと言わないでうちで買ってくださいよ。後々サービスしますので。と強引に商売するか。
こういった場合同業の皆さんどうしておられるのでしょうか?

うちはせいぜい家に帰ってカアチャンに愚痴を言うぐらいか・・・
2008/7/29(火) 
この怪我は・・・
ここ数日、エアコンの取り付け工事でぶっ倒れそう・・・
この感覚は10年ぶりか!!??

こういったときには大きな落とし穴が構えているので注意しなければならない。
埋め込みコンセントの取替え、脚立の上での作業だ。
汗はぼとぼと落ちてくるし、次の仕事も控えてる。
お客さんも何かと話しかけてくるし、こちらはあせる一方。

マイナスドライバーをコンセントの外し穴にグッと差し込んだ瞬間ベキッと音がした。
あっと思ったが遅かった。
差し込んだマイナスドライバーはそのままの力で手のひらに食い込んでいた。
見る見る鮮血があふれて来た!!

やってしまった!
首に掛けていたタオルで血をふき取り、傷口を確認、とりあえず傷口をきつくおさえ
血を止めることに専念痛さなど感じない。感じるのはやってしまったという後悔の念だけ。

この時期、エアコンの取り付けもまだ10台ぐらい残ってる。
おそらく、この怪我の完治は10日はかかる。いったいどうすれば・・・
そんなことが頭をよぎる。
一応血は止まり、お客さんに手当てもしていただき工事は一時中断させていただいた。

その晩は手の痛みはなかったもののあれこれ考えて眠れなかった。
次の日は手の甲まではれ上がっていた。

果たしてこの怪我は俺の不注意によるものか???
このコンセントの線を抜き取るものとして外し穴がある。
これまでは幾度となくその方法で線を外してきたのだ。
ところが今回穴が破損して手のひらにドライバーが突き刺さってしまった。
ひょっとして「突き刺したドライバーをひねったのでは?」そう聴かれても
今となっては返答できない。
ひねったはずはない。普通どおりにまっすぐ差し込んだのだ。

「松下電工のWN1101」
同業者の方、このような怪我をされた方いらっしゃいませんか??

外し穴にドライバーを差し込む場合、絶対に手のひらに持ってはいけません!!
破損して突き抜けるのを想定していれば私のような事故は防げます。

松下電工さんいかがですか?
2010/02/14
老夫婦
朝一番「今すぐ来て、主人のいないうちに・・」
なにやら怪しい雰囲気。2日前に32インチの液晶テレビを注文いただいたが、持っていくとご主人が
「こんな色の悪いテレビはいらん」とキャンセルくらったお客さんだ。
もう、古くからお付き合いいただいてるが、今回に限ってはどうも様子が変わっていた。

もう80過ぎのおじいちゃん、へそ曲がりで言い出したら聞かない。
奥さんもこうなったら手をつけられないと平素からいつも愚痴をこぼしておられた。
しかも、耳が遠いのでうまくこちらの意図が伝わらないのでよけいに始末が悪い。
その対応はこうだ。
「色がきれいに出てない」「別の古いテレビのほうがはっきりしてる」「古いの持ってきたのか?
」「シーマ(シャープのこと)はだめだ、交換しろ」「上新に置いてるやつはみなきれいだ、
今から一緒に見に行こうか?」
一方的に散々いわれるままだ。こちらが口を挟んでもよく聞こえないらしく話しにならない。
台所の古いブラウン管テレビをみると確かに赤や青が異様に濃い色をしてる。
おそらくこの色に慣れてるので頼りなく感じるのであろう。

こちらもこれ以上付き合ってても深みにはまるばかりなので、「それでは残念ですが・・・」
と早々に引き上げてきたその2日後の電話であった。

奥さん
「あれあから2日間寝れなかった」
「あの時、口を挟むと余計ややこしくなるので黙っていたがあんたには大変迷惑かけた。」
「主人は、悪い人ではないが、もう年で、耳も遠くなってきた。まだ最後の花を咲かせたい
のだろう。自分の存在を誇示したいのだと思う」と冷静に見ておられる。
「黙って受け取って・・・」

なんと5万円の現金を差し出された。
引き上げたテレビの行き先も決まったし、大して気にしてないことを伝えても
「これぐらいの金は何とでもなる。これからも知らん顔せんといてな」
「これでやっとゆっくり寝れる・・・」と

なんと、こんなこともあるのか。
今回、多少はいやな目をしたが、こちらは一言もいやみなど言わなかった。
怒り心頭のご主人に対し、逆に気を使ってくれる奥さんの方が心配だったのでその気配りが
伝わったのかもしれない。

赤字続きの苦しい中、このお金は”天からのご褒美”か?
と思わずほくそ笑んだが、やはりもったいなくて軽くは使えない。
しばらくはご仏壇に供えてご先祖様に感謝することにした。
ありがたきことかな
2010/08/29
猛暑
今年の夏はくそ暑い
この時期は、クーラー冷えないので夜も寝られんという電話が何軒かあるものだ
「ぜんぜん冷えんのよ、このクーラーもう20年ぐらいになると思うけど・・・」
すでに何台も付けさせていただいてるお客さんだ。
他店でも2〜3台は浮気されてる(息子さんが決めてこられるのでしかたない)
「え〜っと、どこの部屋の分?」
「寝てるところ・・・」
寝室の分はたしか5〜6年のはずだが?
「そんなに古くないよ」
「でも、全然冷えない。もうこの先何年も生きられるわけでもないし、快適に過そうと思ってるんよ。
暑くて寝れないのでいいのと取り換えてよ

もう20年もたってると思われてるのも少し変な気がするが、あえて否定もしなかった。
少しは冷えてるし、機械は正常に動いてる。どうもガスが少々少ないような症状。
ガスを追加すれば治るような症状だが、減った原因がわからないまま追加
してもまたすぐに抜けてしまうのは目に見えてる。
なおかつ、問題なのは、いまだに新フロンのガスは扱ったことない。正直なところ初体験なの
で要領もよくわからない。かえって長引いて迷惑かけるかもしれない。熱中症のこともあるし・・・
今ならエコポイントも付くし値段も安いので買ってもらうことにした。

次の日、ガス漏れのこともあるし取り外しを慎重に行っていると、低圧のナットを緩め
ようとしたところ何の抵抗もなくスコーンとナットが緩んだ。まるで手で絞めただけのようだ。
「あれ?、閉め忘れていたのかな???」よく見るとなんと3分のナットに縦に亀裂が入ってる
ではないか!ああ、これが原因だ。

しかし、このような状態でもガスは完全に抜けるわけでもなく何日も使用できていたとは不思議だ。
このナットの亀裂だが電気屋初めて2回目のことである。原因は「おまえの締めすぎ、工事ミスだ」
と言われればそれまでだが、いつも同じようにやっていてこのようになるのはどうもナット自体の
品質にも関係してるのではないかと思う。
そういえば、1回目は数年前で、メーカーにナットとフレアの加工面を返して調べてほしいと言ったが
そのまま返事がなかったのを思い出した。
とりあえず、お客さんには悪いがせっかくのいい機会なのでガス充填の勉強材料に使わせていただく
ことにした。

なんでもメーカーの言うことには、2種類の混合ガスなので、従来のような単純な追加はできない仕組みになってる。
必ずいったん全部抜いてから規定量を入れるようにとのことだ。
メーカーの言うことには逆らえないが、以前旧フロンの既設の配管はすべて使用できないと言っておきながら、
現在は10分の長めのポンプダウンすればOKと変わってきてる。
さっそく、初めての、R410Aガスの追加充填をやってみることにした。

店の中に室内機、外に室外機を出して簡易配管。
たしかに、高圧と低圧の冷え方に差があり、エバポレータも上部の2割程度のところしか冷えていない。
従来のフロンガスの場合だとこのような冷え方の場合半分以上は抜けているような具合だ。

補充はまずガスボンベを体重計に乗せて体重計の目盛りで入れた量を測る原始的なやり方だ。
運転しながらコックを開くとなかなかいい具合にスーット入っていく。
どこかのホームページで一気に入れず慎重にと書かれてあったのを思い出した。
100gぐらい入れたところでエバポレータも全体的に冷えてきた。冷え方を見ながら200g入れたところで
ちょうどいい具合までなってきたので2〜3日運転して様子を見ることにした
規定量が890gなのでこれだとちょっとだけ抜けたことになる。
フレアが割れてもわりと頑張るものだと思った

「追加充填ではエアコンの性能が100%発揮されない」とおしかりを受けるかもしれないが。
「100%じゃなきゃだめなんですか? 90%じゃあだめなんですか?」
沸点が違うのでといわれても、いったん混ざり合ったガスがそんなに簡単に分離しないという意見もあるそうだ。