振り返ったタク  その2  H15/7/12
【普通学級へ同席】
 二年生ももうすぐ3分の一を過ぎようとしてます。
親の付き添いなしで登校できるようになってからもうすぐ1年になります。それでもまっすぐ学校へ向かう保証はありませんので、毎日、今日はまともに学校に着いたのだろうか?途中で車に引かれてないか?などと心配の連続です。

学校では一応「養護学級」に在籍となっていますが、数学と理科以外の科目、得意?の国語や英語、社会、音楽、体育などほとんどの科目は普通学級の授業を受けております。
しかし、タクにとって通常の授業など馬の耳に念仏といいましょうか、授業の内容などほとんど理解できないはずです。先生方や周りの生徒たちにとって、タクが何のためにここに座っているのか不思議に思われてることでしょう。かえってみんなの足を引っ張る“邪魔者”ではないかと心配しております。

しかし、親としては、タクがみんなと同じように座って、同じよう行動して、同じリズムで学校生活をすごしていければこれ以上の幸せはないと考えています。
今のところ表立った“イジメ”もそんなに見受けられないし、先生方、生徒たちには心から感謝しています。それよりも逆に、タクの方が他人を傷つけることがあってはとそのことが一番気がかりです。このごろ以前のような噛み付きやパニックで友達の首に手をかけたりは聞かれなくなりましたが、段々と体も大きくなってきましたし思春期にありがちな性的な行為、精神的な葛藤など、これからも心配のネタは山積みです。

【しきりとしゃべるタク】
 親から見ても、いまだに、タクが何を考えているのかほとんどわかりません。
ところが中学に入ってから少し大きな変化が現れ始めました。
どんなことかと申しますと、やっと最近”自分の要求は言葉で表さないと通じないのだな”と言うことがわかり始めたのではないかということです。
このごろ何か用事のあるときは自分から「おとうさん」と呼んでくれるようになりました。以前は、「おとうさんと呼びなさい」なんて言わないと呼んでくれなかったものです。

でも、せっかく呼んでくれても要件がはっきりしません、ぼそっと単語を一言述べるだけです。
何か訴えようとしているのですが単語がハッキリせずいまいち聞き取れません。
「もう一度!ハッキリと!」と言っても、何を言ってるのかわかりません。本人も通じないなとすぐあきらめてしまいます。こちらとしてもせっかく何かを言おうとしているのにわからないのは残念ですし、本人も相当歯がゆい思いをしてることでしょう。

ここ2〜3ヶ月で急に変わったことは何度も何度も同じことを繰り返すようになったことです。
「お風呂に入る」「トイレに行ってきます」「2階へあがる」・・・こちらが「いいよ」と返事しても何度も何度も同じことを繰り返しこちらの「どうぞ」という返事を5〜6回聞かないと納得しません。うるさいのでしまいには「同じことを何回も言うな!」と怒ってしまいます。

たぶん、タクは、自分の持ってる数少ない単語のなかで、これだけは会話が通じる、これを云えばまともな返事が返って来るのがわかったので何度も同じ事を繰り返し、返ってくる返事を楽しんでいるのではないかと思われます
とくに毎日のように何回も繰り返す言葉は「二階へ上がる」「おしっこに行きます」「手を洗いました」「3時になりましたおやつを食べる」「おとうさんご飯をたべる」「お風呂に入る」・・・こんなところです。
ほかの事は言いたくてもどう言ってよいかわからないし、言いかけても相手に通じなくて無視されるだけだし、せめて会話の通じることだけは何回でもと思ってるのでしょうか・・・。ですからそのところをうまく伸ばせてやればいいのではと思いますがなかなか難しいです。

【パニック】
  めったとありませんがタクも時々爆発します。
タクも自分なりにこれはやってもいいことだ。いままで怒られなかった。こうするもんだな。
そう思い込んでることを制止されたりするとパニックに陥ります。

いつのごろからか「ぼくがする!」をかなり強い口調で発するようになりました。自立の表れなので当初は喜んだものですが、これがなかなかやっかいで自分では出来ないことまで「ぼくがする!」を連発するものですから手がつけれなくなるときがあります。
やり方を見て教えてもらおうという姿勢がなく自分が一度やったこと出来ると思ったことは絶対に自分でやらないと気がすみません。
こんなとき無理やりにこちらがやってしまったり、制止したりするとパニックに陥ります。
こんなときは、謝ってもだめです。タクは自分でパニックを起しておきながら自分で我慢しようと頑張っているのです。こんなときは、グッと我慢する力をつけさせてやる、自制心を手助けしてやることが大事です

振り返ったタク その3