振り返ったタク  その3  H15/9/12
【ふりかえったタク】
 そのような息子ですが、先日久々に母親と3人で長距離ウォーキングに出かけました。
一昨年あたりの小学校時分でしたら、歩いていてもいつもの事ながら一緒に歩こうとはせず、一人だけうつむきかげんに下を向いたまま手をたたきながら小走りに先へ先へと駆けて行く。・・・そしていつのまにか消えてしまいどこへ行ったか分からなくなるので、いつも「コラ、待て!!うしろ、うしろ」と止めなければならない・・・そういったパターンが多く、いつも行方不明の危険との戦いでした。
お友達と箕面の滝

ところが今回はちがってました。

いつもながら一人先へ先へ進み、見えなくなるまで行ってしまうパターンは相変わらずですが、今日はなんと、見えなくなるとそこで止まってこちらが追いつくのを待っているではありませんか!!・・・しかも私の足が遅くつい一番後ろになってしまうのですが、タクは早く来いとばかりに迎えに来てくれるのです。

相変わらずヘラヘラ笑う”ヘラヘラ病”は治っていませんが、「おお、迎えに来てくれたんか」と言うと、また手をパチパチたたきながら走って先へ先へと行くのです。・・・つかみ所のないヤツだ。
でも今日はとってもイイ気分でした
【確実に成長しているタク】
 中学になって、小→中と地域の学校へ通い、できるだけ普通学級で授業を受けさせてもらい、徐々にではあるが社会のルール、人対人の関係を意識し始めているようです。

もしあなたが始めてこの子をみたら「なんと!どうしようもない、手に負えない、どうしていいかわからない?」とお思いになるでしょう。ところが生まれてからずーっと見てきた私にとっては、”ここまで来たのはすごい!”本人の持ってる能力は十分発揮されてる!親としての育て方も間違ってなかった、よくがんばってる・・・と

つまり、“点”で見るのではなく“線”で見てほしいということです。以前がこうだったので現在はこの段階そしてこれからはこうしていこう・・・と
小学校までは成長もゆっくりとしていましたが、中学校に上がってから急に成長しました。
なんといっても、生活の時間的な感覚が身についてきたこと、以前は日めくりカレンダーを何十枚もいっぺんにめくっていたが、今は一日に一枚だけになった。
自分の帰る家はここだという場所の概念もハッキリしてきた。
【しめくくり】
 町でこのようなヘンテコな子を見つけたら、もし周りを見まわして付き添いがいないみたいでしたら声をかけてやって下さい。その時必ず本人からは無視されるでしょうが悪気はないのです、ちょっと苦手なだけなもので、コタレズにしつこくかかわってやることをお願いします。

一見このような子は学校や地域社会の中でお荷物扱いされてるように見えますが、実は意外と重要な役割を果たしていることに気づくのです。どんな役割になっているかは、また別の機会に述べたいと思います。
【完】 タクTOP