ふろく
乗り込んで行ったアボガード    H15.2.14
さて、その後数日たってご主人が来店された。
 「この前お越しになったときにお願いしようと思ってたのですが言いそびれてしまいました。実は、2階についてるクーラー、2台同時に使うとブレーカーが落ちるので電気の工事してもらえないか」 「息子らが帰ったときに使うぐらいですので来年の夏まででいいですよ」 「今のところ買うものもないので、こんなわずかな仕事で申し訳ないが・・」ともおっしゃいました。
 いやはや、こんどは逆にこちらがお世話になる番です。いきなり仕事をいただけるなんて思っても見なかったのでおどろきでした。 
年が明けて1月12日早速お伺いしました。

 大森さんのお宅はご自分でもしきりにおっしゃってましたが、それ相応の年数が経っております。 ところが、一歩お家の中へ足を踏み入れると、これが築?年かと思うほどピシーッときれいに磨かれておりまして、部屋の中は余計なものは一切置かれてなく、きれいに片付けられております。

 さて、早速二階へ、2階のエアコンといえばカタログにも載っていたベランダにおいてある例のダイキンの丸型室外機だ。あれは電気食う。
もう一方のエアコンも負けずに古い、二台とも部屋の普通のコンセントから取ってるみたいで、同時に使えばブレーカがとんであたりまえです。
それにしても取り付けてもう20年にはなろうかというのにいままでどうやって使われてたのか?

 ブレーカーは1階の洗面所にあります。幸いなことに2階は二部屋とも和室になっていますので畳をめくって床を切り抜き床下に配線を通すことにしました。
 こういった建物にキズをつける工事はよほど慎重になります。あけてしまってからだめだったということを想定してお客さんに十分説明して了解をもらっておかなければおかなければなりません。

 だいたい工事の説明が終わると、「手伝うことあったらなんぼでも言うてや」とご主人。重いたんすをどうしようかと考えてるうちに、ご主人も奥さんもなんと身が軽い軽い。二人してさっさとたんすを移動されました。
 さらに、畳をめくり、床を切るとすごい木屑が舞い上がります。するとすかさず掃除機で木屑を掃除され始めた。見るとなんと懐かしい、この業界に入りたての頃に初めて取り扱いした掃除機でした。

 次は、二箇所あけたところへ一階の分電盤から立ち上げた二本の線を和室の床下を這わせ2台のエアコンまで配線する作業です。すべて隠蔽配線できればいいのですが、床から上への立ち上げの部分だけはどうしても露出になってしまいました。
 それでも、失敗もなくほぼ頭で描いていた通りの工事が出来ました。

 よくお客さんで、「さすがプロやね〜。いい工事するね〜」とほめてもらえることがあります。こんなときは「はい、たんまりもらえるね」とほっとするわけですが、今回も大森さんにはすごく喜んでいただけました。
こちらはダイキンでなく三菱のエアコン
和室の床であるが板はめ込み式になっている。珍しい。こちらは分電盤の斜め上だ。

こちらがエアコンの真下側。床下に線を入れたところ。
おぉ〜大森さんだ〜!
実にこまめな方です
予想しなかったドラマ 往年の名器を発見!
吸って吸ってゴミプレス、チリコン880¥26800、昭和56年 20年前です!
 思い返せば、たった一枚のカタログに端を発して、夏の炎天下を、地図とデジカメを片手に、まるで何かに追われるように歩いて回った日々。秋真っ盛りケイトウのお花畑をのんびりと眺めていた日々。いろんな思い出が走馬灯のように思い出される。
何度となく「こんな無駄なことやってなんになる?もっと他にすることはないのか〜?」と自問自答したものだ。
 そして最後にこのような結末、心温まるふれあいがあろうとは!まったく予想しませんでした。
いい仕事に喜んでいただけるし、そんなに安くて良いのかと気を使っていただけるし、これからも頼みたいと言われるし、これは本当に現実なのだろうか?!

 というわけで、調査に要した半年余りでかかった”調査費用”は一気に返ってきたというわけです。
大森さんシリーズ 応援してくださった皆々様に心から御礼申し上げます。
1階洗面所の分電盤、ここには知る人ぞ知る、温風の出る物干し三菱「乾きん棒」があるではありませんか!
カタログの写真です。
取り付けの位置は変わってましたが、まぎれもなく大森さん宅です。

ついに記念撮影に成功! 
ミルクたっぷりのココアをいただきながら、運送(宅配)の話に花が咲きました。
本当に明るく、やさしい人です。
カタログに掲載されてた”大森さん”ですが、お隣のご主人だったとはとんだどんでん返しでした。しかしながらこのことによって大森さんシリーズにピリッと味付けさせていただけました。